ベイダーたかはしの野球雑記

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【プロ野球】残り1か月で挽回が必要な男たち ~セリーグ編~【2024/9/9】

0.まえがき

みなさんこんにちは。裸眼視力は0.1、ベイダーたかはしと申します。

プロ野球のレギュラーシーズンも残り1か月となり、チーム成績や個人タイトル争いも白熱しております。一方で、既に何選手かは今シーズン限りでの現役引退を表明するなど、ファンとしてもオフシーズンに向けての選手入れ替えを本格的に意識し始める、そんな時期に差し掛かってきております。

球団によってばらつきは大きいですが、各球団ごとに毎年10選手前後の入れ替わりが発生し、その過程では残念ながらチームを退団せざるを得なくなる選手も多数いるものです

そんなプロ野球選手としての生き残りをかけて、残りの約1か月間で特に挽回が必要と思われる選手たちを中心にピックアップさせていただきます。

 

今回はセリーグ6球団について特集しますパリーグ6球団については次回記事にて特集予定です。

 

 

1.支配下登録選手一覧表の見方

今回、各球団毎に「年齢」「ポジション」「一軍出場数」に着目して、支配下登録全選手を集計し、一覧表にしました。(育成選手は今回集計外

 

【年齢】

  • 2025年3月31日時点の年齢でカウント

 

【ポジション】

  • NPBにおける登録区分に基づいてカウント(なので、たとえば日本ハム郡司選手は捕手登録扱い)
  • 加えて、投手については今シーズンの出場傾向に基づいて、先発型/リリーフ型の二つに分類。(迷ったら先発型でカウント

 

【2024年の一軍出場数 ※2024/9/9時点の成績でカウント】

  • 赤太字一軍の主軸として出場(野手:100試合出場以上もしくは300打席以上、投手:100イニング以上もしくは40登板以上) 
  • 赤細字軍で多く出場機会あり(野手:50試合出場以上もしくは150打席以上、投手:50イニング以上もしくは20登板以上)
  • 黒細字:軍でまずまずの出場機会あり(赤字/青字のいずれの基準にも当てはまらない)
  • 青細字軍でほとんど出場機会なし(10試合出場未満かつ20打席未満、投手:10イニング未満かつ5登板未満)
  • 青太字一軍で出場機会なし

 

以上の基準で集計した表を見ながら、各球団の状況についてみていきましょう。あくまで「年齢」「出場機会」の観点を重視して選手をピックアップしている点はご承知おき願います。

なお、本記事では外国人枠選手については言及しないほか、自ら進退の決断を下せる立場(と思われる)選手については基本的に言及しません

 

2.阪神タイガース

 

【投手】

  • 秋山拓巳投手:高い制球力に裏打ちされたゲームメイク力と高い野球センスを武器に、右のエース格として君臨していましたが、ここ3年ほどは本調子とは言えないシーズンが続いています。今シーズンは二軍成績も低調気味で、年齢的にも阪神で残されたチャンスは多くないと思われます。

 

  • 岩貞祐太投手金本政権下で左の先発として台頭し、その後はセットアッパー格としてタフネスぶりを発揮してきました。しかし、今シーズンは桐敷投手、富田投手ら若手に後れを取っており、数少ない一軍登板機会でもピリッとしない内容に終始するなど、左の中継ぎとしての立場が急速に危ういものとなっています

 

  • 加治屋蓮投手:中谷選手との交換トレードで加入後、見事対右打者用の中継ぎとして「復活」し、昨年のリーグ優勝にも貢献しました。しかし先ほどの岩貞投手と同様、今シーズンは岡留投手等の若手陣台頭によって出番を減らしている状況です。岩貞投手と比較して、今シーズンの成績は若干良いものの、移籍組であることを考慮すると、同じくらい危うい立場に追い込まれていると見るべきでしょう。

 

  • 鈴木勇斗投手:ドラフト2位入団の大卒3年目ですが、ここまで二軍戦でも目立った成績を残せていません。現状大きな課題となっている制球面(25.1イニングで24四死球)に改善の兆しを見せられるかが、生き残りのポイントとなります。

 

  • 湯浅京己投手:先日、胸椎黄色靱帯骨化症の手術を受けたことが発表され、現在はリハビリに努めています。復帰を焦らせないためにも、育成契約に切り替える可能性は高いでしょう。

 

  • 下村海斗投手:シーズン頭に受けたトミージョン手術の経過次第では、一時的に育成契約に切り替える可能性もあるでしょう。もっとも、大卒ドラフト1位ということを考えると、よほど経過が悪くない限りは支配下選手として残す可能性が高いと思います。

 

【野手】

  • 片山雄哉選手:プロでは目立った成績を残せないまま30代に突入しており、二軍戦でも一塁手指名打者での出場がメインになってしまっている印象です。ただし、捕手として考えれば今シーズンの打撃成績自体は悪くないため、首脳陣から「捕手戦力」の一員としてみなされていれば、下記の長坂選手とのサバイバルで生き残る可能性はあり得ます。

 

  • 長坂拳弥選手:ここ数年、阪神の「第三捕手」格として独特のポジションを築いていましたが、捕手二人体制を基本とする岡田体制下では立場が難しいものとなっています。二軍で若手捕手陣が順調に経験を積んでいるため、先の片山選手かこの長坂選手かのどちらかが、阪神からリリースされてしまう可能性はあるでしょう。

 

  • 熊谷敬宥選手守備走塁に定評のあるイケメンユーティリティとして、今シーズンも多くの期間で一軍に帯同しています。しかし、岡田政権下で明確に出番が減っており、ショートを守れる点を除けば植田選手の方が重宝されている印象です。今オフにリリースされる可能性は低いとは思いますが、ショートの若手陣も順調に経験を積んでいるため、案外立場は安泰ではないかもしれません。

 

  • 高濱祐仁選手日本ハムから移籍して2年経過しましたが、未だに阪神での一軍出場機会はゼロです。二軍では出塁率の高さこそ光るものの、際立った成績を残しているとはいえず、移籍組であることも踏まえると、阪神野手陣ではかなり厳しい立場に追い込まれてしまっています

 

  • 遠藤成選手今シーズン二軍で25盗塁を記録するなど期待の若手の一人であり、リリースの可能性はほぼないと思います。しかし現状の阪神には、二軍で育てたい年齢層の二遊間系内野手が多く在籍しており、かつ中堅以上の年齢層にもリリース候補の内野手が少ないです。ですので、プロ5年で一軍出場のない遠藤選手の立場は少し微妙かもしれません。

 

3.広島東洋カープ

 

【投手】

  • 戸根千明投手:現役ドラフトにて広島に加入後、昨年は貴重な左の中継ぎとして一定の出番を得ました。しかし、今シーズンは黒原投手や塹江投手が左の中継ぎとして成長を見せているうえ、自身も二軍成績が振るっていないため、広島ではかなり厳しい立場に追いやられてしまっています

 

  • 岡田明丈投手力投型の先発として3連覇に貢献した右腕も、今シーズンはいまだに一軍出場機会を得ることができていません。しかし、二軍では150km/hをマークするなどトミージョン手術から順調な回復ぶりを見せており、今シーズンのリリースはまずないでしょう。どちらかというと来シーズン結果を残せるかがカギになると思われます。

 

  • 高橋昂也投手かつて高校ビッグ3として名を馳せたスター候補も、プロではあまり目立った成績を残せないままプロ8年目を迎えました。先の戸根投手の項でも述べた通り、同世代の左投手たちが今シーズン活躍していることから自身の存在感も薄れてきており、二軍戦のショートイニングでもあまり球威で押せていないため、チーム内序列は高くないと言わざるを得ません。

 

  • 内間拓馬投手:現役ドラフトで広島に加入して約1年経過しましたが、一軍出場機会を得られないままシーズン終盤を迎えました。二軍成績は悪くないものの、投げっぷりが良い右のリリーフのライバルは数多く、出番の少なさを鑑みると、移籍組ということもあり球団としてあまり優先的には起用しない方針があるのかもしれません。

 

  • 小林樹斗投手:高卒若手としては順調な成長を見せていたものの、昨年オフに手術した右肘の回復が思わしくないのか、今シーズンは停滞気味のシーズンを送ってしまっています。1年目から一軍起用されるなど期待されている投手の一人ではあるため、今オフにリリースされることはまずないですが、育成契約に切り替える可能性はあり得ます



 

【野手】

  • 磯村嘉孝選手攻守に安定した活躍が見込めるサブ捕手として重宝されていた磯村選手ですが、今シーズンは石原選手の台頭に押し出され、急速に出番を失っています二軍ではなかなかの打撃成績を残していること、広島が功労者への処遇が手厚い傾向があることなどを考慮しても、かなり微妙な立場に追いやられています。

 

  • 曽根海成選手:俊足巧打を武器に、一軍でもベンチメンバーとして多く帯同していた時期もありましたが、近年その立場は羽月選手などに譲ってしまっている印象です。加えて、今シーズンは二軍打撃成績も振るっておらず(打率.125)、下の世代の突き上げも激しいことから、残念ながら広島では挽回のチャンスは多く残されていないと思います。

 

  • 中村健人選手:「中村」姓の外野手3人のうち、健人選手と奨成選手は一軍で目立った成績を残せないまま中堅世代に差し掛かっているため、安泰な立場とは言えないでしょう。どちらも、二軍ではまずまずの成績を残すものの、一軍の壁には跳ね返されるシーズンが続いています。奨成選手のスキャンダラスな一面は見過ごせないですが、奨成選手の年齢や、外野手に専念してからの年数などを考慮すると、広島では健人選手の方がより厳しい立場にいるのではないか、と個人的には考えています。

 



 

4.横浜DeNAベイスターズ

 

【投手】

  • 三嶋一輝投手:ルーキーイヤーから奪三振力を武器に先発として活躍し、その後山崎投手の代わりとして抑えも務め、難病も乗り越えマウンドに立ち続けるなど、様々な形でチーム投手陣を支え続けました。しかし、横浜は、仮に功労者であってもベテランリリーフをあっさりリリースする傾向があるため、今シーズン一軍での出番が限られている三嶋投手の立場は危ういと言わざるを得ません。

 

  • 森唯斗投手ソフトバンクでルーキーイヤーから連投にも耐えうる中継ぎとして重宝され、セーブ王にも輝くなど一時代を築いた存在でした。今シーズンは便利屋的存在として開幕を迎えたものの、特に前半戦は滅多打ちにされ、一軍成績はかなり見栄えが悪いです。ただ、夏場からはやや持ち直している他、相変わらずタフネスぶりは健在のため、ここからの活躍で来シーズンの契約を掴む可能性も十分にあります。

 

  • 三浦銀二投手:ドラ4入団の大卒3年目ですが、ルーキーイヤーから成績を少しずつ下げてしまっており、今シーズンは2軍防御率9.95とかなり厳しい成績を残してしまっています中堅以上の年齢層にリリース候補となる投手が少ないため、三浦選手ほどのキャリアの浅さであっても、全体的に若い横浜投手陣において、立場としてはかなり厳しいものがあります。

 

  • 髙田琢登投手:高卒4年目の22歳とまだまだ若手ではありますが、三浦投手と同様にルーキーイヤーから成績を少しずつ下げてしまっており、今シーズンは2軍防御率10.69と、こちらもかなり厳しい成績を残してしまっています。制球難が特に課題となっていますが、年齢を考えると、育成契約に切り替えのうえでもう一年横浜でチャンスを与えられる可能性もあるでしょう。

 

  • 入江大生投手コンディション不良で昨シーズン後半からほとんど実戦で投げておらず、回復具合によっては育成契約に切り替わる可能性はあります。チームでもトップクラスの出力を誇る投手の復帰が待たれます。

 

  • 橋本達弥投手右肩の神経剥離手術を行っており、入江投手と同様に回復具合によっては育成契約に切り替わる可能性があります。現状プロで特筆すべき成績は残せていないため、来シーズンが勝負のシーズンとなるでしょう。

 

  • 深沢鳳介投手同期の小園投手と比較しても順調な成長を見せていましたが、今春にトミージョン手術を受けており、現在リハビリ中です。上の二投手と同様に回復状況次第では育成契約となるでしょう。

 

 

【野手】



  • 大田泰示選手:三球団を渡り歩き、特に日本ハム時代にはリーグ屈指の外野手として鳴らしたスター選手ですが、今シーズン(というより昨オフのウィンターリーグ)から打撃不調に陥っています。ここ1か月で調子を上げつつあるものの、年齢的に守備では多くを望めず、より打撃成績のよい若手外野手が二軍にも控えているため、横浜で残されたチャンスは多くないと言わざるを得ません。

 

  • 西浦直亨選手ショートも含め内野全般を守れるうえに、打撃にもパンチ力があるため、チームにいるとありがたい選手の一人です。今シーズンは少ない打席ながら一軍でまずまずの結果を出している一方、二軍成績もまずまず止まりなうえ、ショートを守るにしては守備面は不安が残ります。その使い勝手の良さから挽回の余地はまだあるものの、年齢面や入団経緯(トレード)を考えると、チーム内序列としては微妙なところです。

 

  • 神里和毅選手走攻守ともに高い水準の能力を有するうえに甘いマスクを持ち合わせ、「1番・センター」のレギュラーとして君臨しました。しかし、近年は身体能力面にやや衰えがみられるうえに、走攻守ともに確実性を欠くシーンも見られます。徐々に出番を減らしており、今シーズンはまだ9打席にしか立てていませんが、同じ左の巧打者の楠本選手と比較すると、2学年上ではありますが、きちんとセンターを守れる点が強みであると言えます。

 

  • 楠本泰史選手巧みなバットコントロールを武器に、近年一軍外野陣の一角として存在感を示していましたが、守備面に課題を抱え、殻を突き破れないまま後輩たちの台頭を許してしまった格好です。特に似たタイプの度会選手の加入は痛く、筒香選手の復帰も重なったことから、左の代打として一軍戦力に返り咲くことはかなり困難な状況となってきています。

 

  • 西巻賢二選手:西浦選手と同様、ショートも含めて守れるユーティリティとして貴重な存在の選手ですが、横浜へ入団して2年間で、ほぼ一軍に出られていないのが実情です。似たタイプの知野選手と比較して二軍成績はあまり変わらないものの、現状一軍に帯同していないこと、移籍組であること、昨年の成績に差があることなどを考えると、横浜では西巻選手の方がより厳しい立場にあるように思えます。

 

  • 上甲凌大選手:昨年二軍で攻守にわたり安定した成績を残したことから支配下契約を掴みとりましたが、今シーズンはここまで停滞のシーズンを送ってしまっている印象です。東妻選手は外野手に転向する見込みですが、育成契約の九鬼選手も含めて20代中盤の捕手はいまだ渋滞気味で、その中でも最も打撃成績が振るっていない上甲選手の立場は若干怪しくなってきています。もっとも、まだまだ将来性に期待できるため、今オフにリリースされる可能性は低いと思います。



 

5.読売ジャイアンツ

 

【投手】

  • 近藤大亮投手オリックス時代にセットアッパーとして活躍した実力派リリーフですが、巨人に移籍した今シーズンは、同年入団の泉投手やケラー投手の後塵を拝している状況です。二軍成績も「まずまず」止まりであること、年齢も菅野投手に次ぐ高齢であることを考えると、巨人投手陣ではかなり厳しい立場に追い込まれていると言わざるを得ません。

 

  • 鈴木康平投手恵まれた体格から繰り出される剛球を武器に三振を奪うスタイルの投手です。一方で暴投が多いなど安定感に欠けるため、投げるボールほどには信頼感を獲得できないまま年齢を重ねてしまい、今シーズンはまだ一軍で登板できていません。先の近藤投手ほどではないにしろ、巨人投手陣では厳しい立場にあると思われます。

 

  • 畠世周投手:昨年は一軍登板ゼロに終わったものの、今シーズンは二軍成績も高い水準で安定しており、2年ぶりの一軍復帰登板でも3イニング1失点(被本塁打1のみ)と、悪くない結果を出しています。しかし、その後一軍登板機会はなく、不遇の時を過ごしている印象です。先の近藤投手や鈴木投手ほどではないですが、あまりチーム内序列が高くないのかもしれません。

 

  • 馬場皐輔投手:昨オフ現役ドラフトの「目玉」として巨人に移籍しましたが、ここまで一軍登板は1試合のみの状況です。二軍では高い奪三振率を出すなど、なかなかの成績を残しているものの、畠投手共々、あまりチーム内序列が高くないと思われます。もっとも、仮に巨人をリリースとなった場合はかなり他球団の興味を惹く可能性が高いです。

 

  • 髙橋優貴投手馬力のある投球で一時期左のエース格として君臨していましたが、課題の制球力が改善されないまま、今シーズンはとうとう一軍登板数がゼロになってしまいました。井上投手など同世代以下の左の先発候補が近年一気に増えてきており、チーム内序列は高くないと思われます。

 

  • 石田隼都投手今春にトミージョン手術を受けており、来シーズン開幕は育成選手として迎えることが濃厚です。近年巨人はトミージョン手術からの復活例が多い印象で、パワーアップしての復活に期待しましょう。

 

  • 代木大和投手石田投手と同様に今春にトミージョン手術を受けており、来シーズン開幕は育成選手として迎える可能性が高いです。昨年は高卒2年目としてなかなかの成績を残しており、球団としても期待値は高いでしょう。

 

【野手】

  • 梶谷隆幸選手:トリプルスリーも狙えるほどの高い身体能力を武器に活躍し、20年オフに4年8億円の大型契約で巨人にFA移籍したものの、その後フルシーズンで活躍した年はなく、今シーズンもほぼ開幕戦のみの活躍にとどまっています。「もし復活すれば・・・」と思わせる選手の代表格ではあるものの、あまりに怪我の頻度が多すぎるため、球団としても厳しい判断を下さざるを得ない状況にあると想像されます。

 

  • 増田大輝選手:高い走塁技術と、投手さえもやってのける使い勝手の良さで、長年チームに貢献し続けるスーパーサブ。ただ、盗塁数は年々減少気味(今シーズンは2盗塁)であり、今後もそのポジションが安泰であるかには疑問符が付きます。今シーズンにリリースされることは考えにくいものの、いっそうの奮起が必要な立場であることには違いありません。

 

  • 重信慎之介選手:守備走塁での貢献度が非常に高く、現在外野守備に不安を抱える巨人としては特にベンチに置いておきたい存在です。しかし、今シーズンは例年以上に一軍二軍で打てていません。重信選手ほどではないにしろ守備走塁を持ち味としていて、より打てる選手も増えてきていることから、一軍帯同数が多いとはいえ巨人外野陣の中ではかなり微妙な立場にいると思われます。

 

  • 増田陸選手:昨年の門脇選手、今年の泉口選手の加入により同世代内野手が一気に増え、しかも両選手ともまずまずの成績を残しています。その中で増田陸選手は、22年にキャリアハイの成績を残して以降は存在感を発揮できていません。今シーズンは二軍でも打率.232と振るっておらず、6年目シーズンの終盤戦、ここから相当な巻き返しが求められます

 

  • 菊田拡和選手:今シーズン、怪我に悩まされ続け、三軍で実戦復帰済みではあるものの、いまだ一軍二軍ともに出場機会がありません。特に内野では貴重な大砲候補であり、昨年までは二軍でまずまずの成績を残していたことから、今後の成長曲線に改めて期待したいものの、巨人の厳しい競争を考えると、来シーズンの支配下契約については少し難しい立場にあるかもしれません。

 

  • 若林楽人選手自然気胸を患い現在入院中で、退院後もしばらくはリハビリに努めることから育成契約に切り替えることがあり得ます。幸いにもトレード直後に一定の活躍を見せたため、じっくり腰を据えて復帰を目指すことができるでしょう。

 

6.東京ヤクルトスワローズ

 

【投手】

  • 嘉弥真新也投手通算472登板を誇る、世代屈指の「左キラー。ですが、新天地で迎えた今シーズンは、防御率14.54、WHIP2.77と惨憺たる成績を残してしまい、「左キラー」としての役割を果たすことができていません。二軍ではまずまず抑えているものの、限定的な運用法や年齢の高さなどを踏まえると、ヤクルト投手陣の中では最も厳しい立場にいると言わざるを得ません。

 

  • 原樹理投手:左右の揺さぶりが持ち味のエース候補も、昨年は一軍登板数がゼロに終わったことで一気にチーム内序列を低下させてしまいました。今シーズンも長らく一軍登板を果たせていませんでしたが、8月末に2年ぶりの一軍登板を果たすと、そこからはまずまずの投球を続けています。このまま最後まで走りきることができれば、来シーズンも契約を掴むことができるでしょう。

 

  • 尾仲祐哉投手二軍では毎年圧巻の成績を残すものの、一軍の高い壁は乗り越えられないまま8年目を迎えた苦労人投手。今シーズンもその傾向は相変わらずなものの、唯一の一軍登板で佐藤輝明選手から満塁ホームランを被弾。翌日には二軍降格を命じられ、一気にヤクルト投手陣での序列が下がってしまったと思われます。

 

  • 宮川哲投手:元山選手とのトレードで加入した元ドラ1の剛腕ですが、移籍後は振るわない投球が続いています奪三振率こそ相変わらず高いですが、いまだに指にかかったボールとそうでないボールの精度の差が大きいように思います。ポテンシャルは高いため、ここからその片鱗を一軍でも見せられれば・・・と思ってしまいますが、年齢的に難しいところです。

 

  • 山下輝投手プロ1年目こそポテンシャルの片りんを見せて日本シリーズ登板を果たしたものの、そこから肘の怪我にも悩まされ、今年もここまで二軍で振るわない投球が続いてしまっています。怪我後、いまだに球威が戻っていない印象で、大卒ドラ1の3年目とはいえ、若干シビアな立場に追いやられつつあります

 

  • 坂本拓己投手:高卒2年目と将来を嘱望される立場であるものの、今シーズンは二軍で低調な成績を残してしまっているどころか、約4か月間実戦登板機会がない状況です何らかのコンディション不良を抱えているのであれば、育成契約に切り替わることになるでしょう。



 

【野手】

  • 三ツ俣大樹選手:昨オフにヤクルトが獲得した内野ユーティリティタイプの選手のうち、唯一一軍出場機会に恵まれておらず、二軍でも低調な打撃成績を残してしまっています。似た立場の選手の中では守備力にこそ強みがあるものの、ヤクルト内野陣では川端選手に次ぐ高齢ということもあり、相当厳しい立場に追い込まれてしまっています。

 

  • 山崎晃大朗選手俊足と粘り強い打撃を武器に、近年のヤクルト外野陣を支えてきた山崎選手ですが、今シーズンは一軍でほとんど打てていないこともあり、出番が一気に減少してしまっています。丸山選手や並木選手に加え、今シーズンは岩田選手や西川選手が一定の存在感を示したため、青木宣親選手の去就次第ではあるものの、安心できる立場には現状いないでしょう。

 

  • 北村拓己選手:昨オフにヤクルトが現役ドラフトで獲得した、これまた内野ユーティリティタイプの選手です。ここまで代打/代走/守備固めと様々な役割をこなしながら48試合に出場しているものの、肝心の打撃面で打率.125と振るっていません。三ツ俣選手と比較して一定のポジションは築いているものの、持ち味であるはずの打撃面は期待に応えられていません

 

  • 古賀優大選手:中村選手に次ぐ2番手捕手として、近年一定の出番を得ていましたが、今シーズンは開幕からコンディション不良とのことで実戦出場を果たせていません。これが長引くようであれば、一旦育成契約に切り替わることになるでしょう。

 

  • 中川拓真選手今シーズン途中に捕手不足に陥ったヤクルトが緊急獲得した、元オリックス/火の国熊本の若手捕手。そのため、入団経緯を鑑みると、チーム内序列は低いと思われます。ただし、前述の通りヤクルトは古賀選手をはじめ捕手陣にコンディション不安の選手が在籍しているため、彼らの状況によってはもう1年チャンスを手にできるかもしれません。



 

7.中日ドラゴンズ

 

【投手】

  • 田島慎二投手入団以降セットアッパー/ストッパーとして長年ブルペン陣を支えてきたタフネスリリーバーも、勤続疲労の影響か徐々に成績を落としてしまい、今シーズンはついに一軍登板数が1試合になってしまいました。二軍では良好な成績を残しているものの、今シーズンは同い年の岩嵜投手がより重宝されていることもあり、中日で残されたチャンスは多くないかもしれません。

 

  • 福谷浩司投手近年は先発として調整を続けており、今シーズンもここまで出番に恵まれていなかったものの、ここ2試合はさすがのゲームメイク力を発揮しています。このままシーズンを走り切れば来シーズンの契約も得られるでしょう。年齢的に安心できる立場ではないものの、その姿はさながら頼れるベテランそのものです。

 

  • 砂田毅樹投手:横浜からトレードで入団して2年経過したものの、いまだ一軍に定着できないうちに、齋藤投手や橋本投手が左の中継ぎとして確固たる地位を築きました。いまだ左の中継ぎはチームでも貴重な存在であり、二軍ではまずまずの成績を残しているものの、移籍組ということもあり、中日投手陣における立場はかなり危ういと思われます。

 

  • 石森大誠投手:貴重な左の中継ぎとして、勢いのあるストレートを武器に奪三振を量産できる投手ですが、制球力に大きな課題を残しています。昨年より投球内容が改善されたとはいえ、いまだ不安定さが目立つ中で中堅世代に突入しました。砂田投手と同様に中日投手陣における立場は危ういと思います

 

  • 仲地礼亜投手昨年はドラ1として一軍で一定の存在感を放ちましたが、今シーズンはここまで故障に悩まされ続けています。このまま故障が長引くようであれば、来シーズン開幕時は育成枠で迎える可能性もあるでしょう。

 

  • 福島章太投手:昨年は一軍デビューを果たすなど高卒3年目としては順調な成長を見せていましたが、今年は足踏みのシーズンとなってしまっています。今オフのリリースは考えづらいものの、育成契約に切り替わる可能性はありえるでしょう。

 

 

【野手】

  • 中島宏之選手説明不要の豊富な実績をひっさげ、昨オフはNPB4球団目となる中日に入団しました。昨シーズンもまずまずの成績を残していましたが、一転今年は一軍二軍でほとんどいい当たりを放てていません。守備面でも貢献度が低いことから、中日での立場は限りなく追い込まれてしまっています

 

  • ビシエド選手:外国人枠をはずれたものの、昨年よりもさらに一軍出場機会が減少していることから、チームでの序列は低下していると見ざるを得ません。二軍ではハイレベルな打撃成績を残しているほか、一塁守備は安定しているため、お金の面を度外視すればある程度戦力として計算できるものの、本人の発言通り、やはり中日からの退団を覚悟しなければならないでしょう。

 

  • 加藤翔平選手:立浪監督との確執も噂される中、今シーズンはここまで一軍出場がゼロにとどまっています。守備走塁が持ち味の30代外野手が多い中、競争に後れを取っている印象で、盗塁がゼロにとどまるなど二軍でも飛び抜けた成績はここまで残せていません。中日外野陣での立場はかなり厳しいものになっていると言えるでしょう。

 

  • 後藤駿太選手加藤翔平選手と同様、守備走塁が持ち味の移籍組外野手ですが、ここ5年ほど一軍では打率が1割台にとどまっています。いくら二軍では好成績を残しているといえども、自身の年齢や中日外野陣の年齢分布を鑑みるに、加藤翔平選手ほどではないにしろ、立場は危ういものと思われます。

 

  • 三好大倫選手今シーズン序盤は安打を量産し、岡林選手の代役として存在感を示したものの、その後は一軍だけでなく二軍でも低調な成績に落ち着いてしまっています。中日外野陣の中ではまだ若めであり、今オフリリースの可能性は低いものの、そもそも中日は外野手を多めに抱えています。そのため、チームとして大幅な戦力のテコ入れを行う場合は、その代償として三好選手の立場すら怪しくなる可能性もあります。

 

  • 石垣雅海選手パンチ力が自慢のショートとして長年期待されてきている存在であるものの、一軍では通用したと言えるシーズンが少ないです。近年20代前半のショート候補を上位で大量獲得しており、その代償として石垣選手の序列は低下気味です。ベテラン勢を除き、中日内野手陣の中では、かなりギリギリの立場に追い込まれているように思います。



 

 

以上、セリーグ各球団の「残り1か月で挽回が必要な男たち」について記載いたしました。

あくまで「年齢」「出場機会」を主な基準として選手をピックアップしたので、異論等あれば優しくおっしゃってください・・・。

次回はパリーグ編です。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。