ベイダーたかはしの野球雑記

野球に関する様々な情報/雑感を発信します。

【2025年ドラフト会議】12球団の指名振り返り&今後の補強展望

0.まえがき

みなさんこんにちは。ベイダーたかはしと申します。

先日筆者のXにてプロ野球関連の何気ない投稿をしたところ、とあるドラフト候補から「いいね」をいただきました。フォロワーわずか60名程度の泡沫アカウントではありますが、それでも投稿の内容は世界中から見られうると改めて実感し、言葉選びは慎重に行わなければならないと身が引き締まりました。

 

さて、10月23日にプロ野球ドラフト会議が行われ、めでたく116名のホープたちがプロ野球選手としてのスタート地点に立つ権利を得ることができました。指名を受けたみなさま、本当におめでとうございます。一野球ファンとして改めて心より応援させていただきます。

 

筆者は候補生の身内でも何でもありませんが、それでも一人で中継を見ながら何度も歓声を上げたり唸ったりしておりました。

 

ということで、「鉄は熱いうちに打て」ではないですが、筆者自身のドラフト会議に対する興奮も冷めないうちに、12球団の指名に対する所感を書き連ねていきたいと思います。その際、各チームが本ドラフトにおいて編成面でどのようにアプローチしたかについて、(野球素人ファンの)個人的な見解を織り交ぜさせていただきます。

 

そして気が付いたら(例によって)2万字オーバーの大作記事となりましたので、目次から気になるところだけ読んでいただいて構いません・・・。

 

以下、本記事の内容は2025/10/24時点の情報がもとになっていることをご承知おきください。

 

 

 

1.指名結果一覧

各球団の実際の指名に触れる前に、まずは今回2025年ドラフトにおける指名選手の一覧を以下に示します。

 

 

ついでに、蛇足ではありますが筆者一人で2025/9/28に行った一人12役仮想ドラフトの結果が以下のリンクにございます。もしよければ見比べていただけると面白いかと思います。

 

bayder.hatenadiary.jp

 

事前に公言のあったカープ立石正広選手、ライオンズ小島大河選手、ジャイアンツ竹丸和幸投手について全外ししたため、ドラフト前日の時点で自分の予想のザルさに呆れてしまいました。そして当日の的中率もひどいもので・・・。まあ、素人だろうと玄人だろうとドラフトの予想なんてこのくらいの精度のものが大半だと思います

なお、上記の仮想ドラフトと実際のドラフトがどのくらい乖離していたかの細かい分析は、別記事で書かせていただこうと思います。

 

それでは、次項からウェーバー順に各球団の指名について振り返り、現時点(10/24時点)の所感を述べさせていただきます。

 

 

2.東京ヤクルトスワローズ

指名選手

 

  • 育成1位:小宮悠瞳投手(川﨑総合科学高校)

 

【指名の所感】

過去数年の傾向からいくと野手を1,2位で獲得したのは思い切った選択をしてきたな、というのが率直な感想です。その中で1位の松下歩叶選手は長打力に優れる上ディフェンス面でも大きな穴はなく、ルーキーイヤーから北村恵吾選手あたりとの競争の中で一軍出場のチャンスも十分あるはずです。すぐにサードががっちり埋まるとまではいえませんが、ドラフトで現実的にとれるベターな選択だったと思います。

2位の松川玲央選手は圧倒的脚力とスケール感を備える大学生ショートであり、将来のリードオフマンとしての素養を持ちます。また、石井巧選手は同様にショートでありながら攻守に堅実な技術が光る実戦型といえ、チームにやや不足する右打ちショートの成分を補充する意図が見えました。編成の兼ね合い次第では松川選手をセンターとして育成するのも面白いと思います。

 

一方投手補強に目を向けると、来シーズンからの戦力と3年後の戦力がはっきり分かれるチョイスがなされました。中でも増居翔太投手は直球変化球ともに全体的な精度が高く、本調子でなくともゲームメイクできる引き出しを持つことから先発ローテの穴埋めに適しています。また、飯田琉斗投手は常時150km/h前後の角度あるストレートとフォークのコンビネーションは圧巻で、荘司宏太投手と同様に早々にブルペン陣の心臓部を担う姿が想像できます。

ストレートの角度でいうと3位の山崎太陽投手も同様に魅力的で、まだ細身なうえ投手としての実戦値も少ないことから逆に伸びしろを感じさせる好素材といえます。その他、高校生左腕の木蓮吾投手小宮悠瞳投手はしなやかな腕の振りがいかにも左腕らしく、精度の面はこれからですが大化けの期待感が持てます。

 

ここでやや疑問に思った点を挙げると、2,3位の指名枠を使って素材感の強い大学生をチョイスしてきたのは、投打ともに戦力が充実しているとは言い難いスワローズに本当に合っているのかは微妙な感じもしました。それでも、その点は4位以降の完成度ある社会人選手でバランスを取ることができているようにも思います。なんにせよ、特に松川選手と山崎投手については焦らずまずは育成に取り組んでもらいたいところです。

総合的には投打ともに穴の多い編成に対し、短期目線と中長期目線での強化をバランスよく行った、十分に良ドラフトといえる指名であると思います。

 

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンも助っ人5名体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は65名の見込みであり、さらに村上宗隆選手も抜ける可能性が高いことを踏まえると、ここから追加で戦力外通告が行われることは考えにくいです。更に枠を空けて他球団からのリリース組を大量獲得するという動きもなくはないですが、そもそもスワローズ自体が今オフに山本大貴投手西川遥輝選手といった実力者を放出していることを踏まえると、どちらかというと若手や育成選手の獲得が中心になると予想します。

 

この予想に基づき10/24時点で自由契約状態の具体的な獲得候補を挙げてみると、投手でいえば戸田懐生投手山本晃大投手あたりが適してように思います。2名ともそれなりに若いうえ育成契約で獲得できる余地があり、二軍でイニングを食いつつ一軍昇格を狙う実力のある投手です。一方野手では走攻守の能力がまんべんなく高い中村健人選手あたりが、ドラフトであまり強化できなかった外野陣のテコ入れとして面白いように思いました。

また、当然ですが助っ人投手の新たな獲得も来シーズンに向け行うべきミッションです。今シーズンはMLBでの実績十分なランバート投手やバウマン投手が被本塁打に苦しんだ印象がありますので、神宮球場の特性も加味して低めのファストボールでゴロアウトを狙える投手をターゲットにしてほしいと考えています。

 

 

3.千葉ロッテマリーンズ

指名選手
  • 1位:石垣元気投手(健大高崎高校)
  • 2位:毛利海大投手(明治大学
  • 3位:奥村頼人投手(横浜高校
  • 4位:櫻井ユウヤ選手(昌平高校)
  • 5位:冨士隼斗投手(日本通運
  • 6位:岡村了樹選手(富島高校)
  • 7位:田中大聖投手(Honda鈴鹿

 

 

【指名の所感】

1位の抽選で見事に高校生No.1の石垣元気投手を引き当てました。常時150km/h級のストレートを連発する素材を2球団競合で引き当てられたのはラッキーで、さっそく3年後のエース候補確保に成功しました。個人的に来シーズンはファームで焦らず育て、2年目から本格的に一軍起用を見据えてほしいのが本音です。

また、2位以降でも各ジャンルの好投手をよりどりみどりで獲得することができました。特に2位の毛利海大投手と5位の冨士隼斗投手は1年目からある程度一軍で先発するだけの能力を有しており、2名ともプロで奪三振を量産できるかはやや懸念されるものの、長いイニングの中で力を出せる点は魅力的です。7位の田中大聖投手はまさにパワーピッチャーというべき剛腕であり、1年目から八木彬投手あたりとの競争から一歩抜け出すことを期待します。

投手獲得はこれだけにとどまりません。長期目線での投手獲得も十分に行えており、特に3位の奥村頼人投手はチームに不足する左腕のプロスペクトで、高い野球センスと全国的な知名度も相まって期待感の大きい存在でしょう。育成の中山優人投手高橋快秀投手は将来的に先発として育てる価値のある、タフさとストレートの質を併せ持つ好素材右腕です。

 

一方、野手の獲得においては、二軍で育てるべきプロスペクトの強化が中心となりました。櫻井ユウヤ選手は日本人離れした圧倒的なパワー、岡村了樹選手は捕手を務めつつ高水準の身体能力を持つ万能性、杉山諒選手は高い脚力を活かした守備走塁にそれぞれ魅力の詰まった選手たちです。ここ数年のマリーンズ二軍は中堅ベテラン選手の出場がかなり目立っており、その課題にメスを入れられたのは必ず近未来に繋がってくるはずです。

 

ただし、来シーズンの戦いという面でいうと、レギュラーらしいレギュラーのいない内野陣のテコ入れを行えなかったことはやや残念に思います。前述の通り櫻井選手はしばらく二軍で鍛えることが想定されますので、今後何らかの形で内野陣の強化を行い、競争を激化させていきたいところです。

とはいえ、投手陣の強化という今オフの課題に真摯に向き合い、そこに対し満点に近いアプローチができた本ドラフトは、ファン目線でもかなり満足度の高い指名だったと言えるのではないでしょうか。

 

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンを助っ人5名(+ソト選手)体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は67名の見込みで、頭数の上ではこのまま追加の戦力外通告がない可能性もゼロではありません。しかし、既に今オフは荻野貴司選手澤村拓一投手といった実力ある重鎮をリリースする選択をしたわけで、ここで戦力整理をストップさせてしまってはチームとして行動が一貫しないように思います

今後の戦力整理において、今年3月にトミージョン手術を受けた大谷輝龍投手については育成枠に移ることが濃厚です。となると、今オフの支配下投手リリース人数が8名とかなりの人数になることから、残る戦力整理は野手陣を中心に行うことが想定されます

その中で、金田優太選手大下誠一郎選手をリリースして櫻井選手を獲得した内野陣は支配下に13名と少なめで、ここは動かしにくいでしょう。逆に、岡村選手と立松由宇選手も含め支配下に8名いる捕手陣や、20代の面々である程度一軍レギュラーを回せている外野陣については、追加で何らかの人員整理があってもおかしくない状況にあります。

 

今後の獲得選手候補について考えていくと、ドラフトで大幅な強化が図れたとはいえ投手はまだまだほしい所です。左腕不足というチーム事情を加味すると、山本大貴投手の出戻りなんかはなかなか良さげな選択肢だと思っています。一方野手陣では前述の通り内野陣を強化したい状況にありますが、若返りを狙うのであれば10/24時点で適した人材が市場にいない気がします。若返りというテーマを無視するのであれば田中広輔選手は悪くないチョイスだとは思います。

また、投手陣や内野陣の強化においては当然助っ人獲得も必要になってくるはずで、特にサードもしくはセカンドをこなせる野手の獲得はチーム編成上ぜひとも行いたいところでしょう。

 

 

4.広島東洋カープ

指名選手

 

 

【指名の所感】

事前に公言していた立石正広選手のクジを外した後、ギータの再来との呼び声もある両打ちスラッガー外野手、平川蓮選手を1位で獲得しました。来シーズンすぐの補強ポイントという意味で外野手は最優先で補強すべきポジションではないものの、平川選手自体多少時間をかけて育てるべき選手であり、翌々シーズンのDH制導入後まで見据えて育成プランを練っていくべきでしょう。

また、3位では攻守に大学生屈指の技術を誇る内野手勝田成選手を獲得しました。大学ではセカンドを務めていますが、場合によってはショートとして育てるのも良いでしょう。その他二軍で育てるべき若手が極端に少ないショートとして西川篤夢選手岸本大希選手、逆に若手はいるものの伸び悩みが目立つキャッチャーに小林結太選手を獲得し、二軍を若手育成の場として使うための人材をプラスできました。

 

一方、投手陣では4名の評価の高い右腕を獲得したことで、かなりの戦力強化に成功しました。中でも2位の齊藤汰直投手は1位での獲得も有力視されていた長身右腕で、現時点で角度のついた迫力あるボールを長く投げ続けられる能力を有する上、今後の球速アップにも期待できるエース候補というべき存在です。エース候補という意味では7位の高木快大投手も十分な素養を有しており、ここ1年ほどは故障に苦しんでいるものの、リハビリのことを考えてもこの順位で獲得できたのは美味しいでしょう。

その他、工藤泰己投手は実戦値こそ高くないものの最速159km/hのストレートと鋭いカットボールを武器にする剛腕で、赤木晴哉投手は長身細身ながらここ1年間で急激に出力を伸ばしている好投手で、2名とも大学4年生時点の評価は岡本駿投手より上との声が多いレベルです。

 

以上、今回のカープの指名はかなり充実した内容の指名と言えますが、1点だけ気になるところを挙げるとすれば、今回カープがチョイスした大学生はいずれもやや素材型の成分が強めであることです。齊藤投手と勝田選手は1年目からある程度一軍で使っていける完成度を有していると思いますが、故障に苦しむ高木投手を含め、その他の選手はプロの水に慣らしていく段階を踏んで、多少時間をかけてでも大きく育ててほしいと個人的に思っています。

とはいえ、全体的に高い次元でまとまった指名をできているのは間違いなく、3年後には今回指名された面々が4,5名一軍戦力として食い込んでいても何ら不思議ではありません

 

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンを今シーズンと同様に助っ人4名体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は70名の見込みで埋まってしまっており、しかも助っ人は5名以上保有しておくことが現行のNPBでは望ましいはずです。そう考えると、育成選手がさほど多くないカープといえどもさらなる戦力整理は必須の状況にあるでしょう。

今後の人員リリースについては、10/24時点で戦力外通告が2名にとどまっている投手陣が中心になることが想定されます。特に、ここ2年続けて一軍で明確な役割を担えていない20代後半~30代前半の中継ぎ投手が何人かいることから、彼らが人員整理の対象となる可能性は高いでしょう。

また、野手陣については既に5名もの戦力外通告選手が発表されていることから、追加で数多くのリリースは発生しないかもしれません。ただし、ドラフトで新たに小林選手を獲得した捕手陣については、現時点で二俣翔一選手も含めて支配下に8名いる状況ですので、何らかの人員整理が発生すると思われます。

 

逆に獲得面を考えていくと、注目の争点となるのは前田健太投手の存在でしょう。カープ帰還説が有力視されつつも確実とまでは言えず、獲得にはそれなりの条件提示が必要となります。また、前田投手の帰還如何に関わらず、助っ人先発の獲得も行うべきで、先述の通り大学生ルーキーたちには多少育成期間を設けて育てるのが望ましいことから、彼ら任せにならなくてよいように投手陣を編成しなければなりません。

 

 

5.埼玉西武ライオンズ

指名選手

 

 

【指名の所感】

1位でここ数年ではトップクラスの打撃型捕手である小島大河選手の獲得に成功しました。広角に長打を量産できる打撃は今年の左打者大学生でも最上級の精度を誇る上、捕手としてもなかなかの守備技術を有することから唯一無二の存在と言えるでしょう。古賀悠斗選手の壁はかなり高いですが、フットワークの軽さなどは小島選手に分があることから、捕手に限らず様々なポジションでも経験を積める点も評価できるポイントです。

また、小島選手に限らず、走攻守の総合力の高い野手を多く指名できたことは、得点力不足に苦しむライオンズにとって朗報と言えるでしょう。特に3位の秋山俊選手も大学球界では屈指の打撃センスを誇っており、新たな「西武の秋山外野手」として将来的に上位打線を担っていても何ら不思議ではありません。一方で6位の川田悠慎選手は高い脚力と外野やサードをこなせる使い勝手を兼ね備えており、かゆい所に手が届く便利屋的ポジションの起用が想定できます。そして高校生では打撃センス抜群の横田蒼和選手、走攻守のポテンシャルが高い新井唯斗選手、長打力を備える今岡拓夢選手と3名の好素材を獲得しており、3名とも所属校ではショートを務めていることから将来的に様々な可能性が広がっている点も含め非常に楽しみな存在です。

 

一方で投手指名に目を向けると、左右のバランスをとりつつ十分な出力を持つ好投手を確保できたという印象です。2位の岩城颯空投手は直球変化球ともに十分な威力をもつ総合力の高い左腕で、4位の堀越啓太投手は常時150km/hオーバーのストレートで力押しできる剛速球右腕です。この支配下投手2名に加え、今年の四国ILではNo.1の完成度を誇る斎藤佳紳投手の3名は、リリーフであれば1年目から一軍で十分に運用していける力量を持っているはずです。その他育成指名投手では濱岡蒼太投手正木悠馬投手にも個人的に注目しており、向上心の強いパーソナリティがライオンズの投手育成環境とどう噛み合うのかは楽しみです。

 

この好ドラフトに少しだけケチをつけるとすれば、髙橋光成投手や今井達也投手のポスティングを目前に控える中、投手の人選がリリーフ型にやや寄っている点が気になりました。岩城投手も堀越投手も斎藤投手も所属チームで先発を務めることもあったものの、どちらかというと3イニング前後の中継ぎとして結果を残してきた投手です。来シーズンの戦いという意味では、ドラフトとは別の手段で先発要員を強化する必要があるでしょう。

それでも、得点力強化という最大の課題に様々なアプローチで向き合えた本ドラフトはベストに近い結果といって過言ではなく、総合的にみて個人的には12球団で最も好みの指名です。

 

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンを助っ人5名体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は67名の見込みです。ここから髙橋光成投手今井達也投手のポスティングも十分にあり得ることを踏まえるとそれなりに支配下枠に空きがあるようにも思えますが、一方で育成枠に比較的多くいる有望株の昇格を見越して多めに枠を空ける必要もあることから、実際にはもう少し戦力整理を行うべき状況にあるのは間違いありません。

その中で、投手陣についてはここから追加で大量の人員整理が行われるとは考えにくいです。そもそもシーズン終了時点で支配下投手の頭数が32名とやや少なめだった上、髙橋投手や今井投手の流出リスクも考えると、たとえば松本航投手のように、今シーズンイマイチだったとしても実績のある投手を手放すにはかなり勇気がいる状況です。

逆に野手陣はもう少し人員整理の余地がある印象です。ドラフトにて支配下に捕手、内野手、外野手をそれぞれ1名加えたわけですから、その分の放出という可能性は十分にあります。今シーズンの成績が振るわなかった20代後半の選手が各ポジションにちらほらおり、彼らの立場が怪しいものになっているのは間違いないでしょう。

 

今後の選手獲得面に軽く目を移すと、前述の通り先発要員の強化はぜひとも行っていきたいところです。10/24時点で自由契約状態にある面々の中にそういう投手はなかなかいませんが、強いて言えば武田翔太投手の実績にかけて育成枠で狙ってみるのはあってよい動きだと思います。むしろ先発要員の強化は助っ人を中心に行うべきで、ボータカハシ投手を仮に残すとしてもそれでは全く物足りず、新たに先発要員を2名は用意すべきでしょう。

 

 

6.中日ドラゴンズ

指名選手

 

 

【指名の所感】

投手力強化を目論むという趣旨の井上一樹監督の発言通り、来シーズンから一軍で使っていけそうな好投手を複数獲得することができました。中でも1位の中西聖輝投手はストレートも変化球も自在に操ってゲームを支配することができる存在で、出力も十分に備えることから、1年目から先発ローテに食い込む姿が容易に想像できます。また、2位の櫻井頼之介投手もサイズ感を除けば中西投手に負けず劣らずの実力者で、抜群の制球力はプロでも上位級という呼び声すらあります。この大学生先発右腕ではNo.1とNo.2ともいうべきエース候補を独占できたことは、まさに狙い通りの指名と言っていいでしょう。

その他指名された投手たちも非常に興味深い面々です。3位の篠崎国忠投手は今年一気に出力を伸ばした高卒2年目大型右腕であり、まだまだ再現性の点に課題は大きいものの、将来的には松山晋也投手に並び立つ存在となって全くおかしくありません。また、牧野憲伸投手は大卒4年目ながら十分な出力とチェンジアップ等の緩急が魅力の実戦派左腕であり、早々の支配下昇格を期待したいところです。

 

一方、野手指名においては特徴的な人選が目立った印象です。その中で能戸輝夢選手は最終学年で怪我に苦しんだものの打撃センスへの評価が高く、森駿太選手と並んで二軍で将来の主力候補として大事に育てたいところです。二軍で育てていきたいという点では花田旭選手も同様で、高校時代から評価される長打力を中心としたスケール感は特大であることから、まずは二軍でプロの水に慣らしたい存在です。逆に5位の新保茉良選手は軽やかなグラブさばきと強肩を活かしたショート守備が魅力的で、一発を放てるパンチ力も備えることから、辻本倫太郎選手あたりとの競争次第では1年目から一軍である程度戦力となりうると思っています。

また、育成指名野手では、大きな身体にパワーを秘める石川大峨選手と高い脚力が自慢の三上愛介選手を指名しており、2名とも長所を伸ばすことで支配下を十分に狙える素材だと言えるでしょう。

 

今回のドラゴンズのドラフトは、上記で触れた通り野手の人選がやや独特な印象で、その点をどう捉えるかでやや評価が割れるかもしれません。加えて、人選について度外視したとしても、石伊雄太選手を除くとベテランへの依存度が高い捕手陣のテコ入れまで手を回しきれなかったのは少し惜しい印象を受けます。

それでも、ベテランへ依存度の高かった先発陣に2年連続で大きなメスを入れ、一気に未来への展望を明るくしてくれた本ドラフトは、強竜復活に向けて大きな一手となる可能性が高いはずです。

 

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンを助っ人6名体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は67名の見込みです。ただしこの仮定は、今シーズン終了時点で8名抱えていた助っ人が減るだろうという予測によるもので、助っ人の去就や他球団リリース組の獲得などを考慮するのであれば、もう少し枠を空けておきたい状況にあります

その中で投手陣については、これ以上人員整理を行うのは難しい状況にあります。中堅投手/ベテラン投手は今シーズンきちんと結果を出している投手が多いことから手放すには惜しく、あるとしても伸び悩み気味の若手を1,2名育成に落とすくらいにとどまるでしょう。

逆に野手陣は、今シーズン微妙な成績にとどまった移籍組が何名かいることから、今後の人員整理においては彼らが対象になることが有力視されます。彼らとやや役割の被る大島洋平選手カリステ選手が残留を既定路線としているのも苦しいところです。

 

今後の補強においては、既存の助っ人投手を残すかどうかが大きな争点となるでしょう。特に先発としてまずまずの成績を残したマラー投手の扱いは慎重に検討すべきで、仮に新しい助っ人を検討するにしてもマラー投手との比較は非常に重要となってきます。

その他、ドラフトでは手つかずに終わった捕手についても何らかの形で新戦力を迎えたいところですが、10/24時点で自由契約になっている面々を見てもあまり有力な獲得候補がいません石橋康太選手を今後どのように育てたいのかがポイントになってくると思いますが、彼の将来像を捕手としてあまり見ていないのであれば、いっそトレードを仕掛けるのも手ではないでしょうか。

 

 

7.東北楽天ゴールデンイーグルス

指名選手

 

 

【指名の所感】

1位の藤原聡大投手は常時150km/h前後の球速以上に伸びを感じるストレートを最大の武器とする西日本の大学生ではNo.1の投手であり、鋭い変化球も相まって高い奪三振力を誇る点が魅力的です。今まさに急成長中の右腕であり、プロでもその成長曲線を維持できれば、3年目には「則本2世」たる奪三振王エースに大成してくれるはずです。一方で2位の伊藤樹投手と6位の九谷瑠投手現時点の完成度とタフネスを併せ持つ即戦力候補で、伊藤投手はタテヨコの変化に加え奥行きの変化も使える引き出しの多さが光り、九谷投手は唸るストレートと落ちる変化球のコンビネーションに強みを持っています。この即戦力候補2名の存在も、藤原投手を焦らず育てる上で助けとなってくれるでしょう。

その他投手指名では、高校生左腕の伊藤大晟投手と大学生右腕の中沢匠磨投手という、現時点で一定の出力となかなかの制球力を併せ持つ好素材を指名できました。彼らであれば1年目から二軍の実戦機会に恵まれるはずです。

 

一方、野手指名でまず触れたいのは、質/量ともに不足気味の捕手陣強化に向けて強力な人材が加わったのが大きいです。特に大栄利哉選手は今年の高校生No.1キャッチャーの呼び声も高く、地肩の強さに加えて打撃センスにも長けていることから、将来の正捕手候補としてどんどん実戦機会を与えたいところです。加えて、育成5位ながら島原大河選手も期待感のある存在で、捕手として独立リーグ王者の攻守の要を担った好選手です。また、同様に人員不足気味の外野陣に対し、高い身体能力と長打力を有する阪上翔也選手や俊足巧打が持ち味の幌村黛汰選手といった総合力の持ち主を下位指名で拾えたのは美味しいところでしょう。

その他の野手指名では、3位で攻守に堅実な技術が光る万能内野手繁永晟選手を獲得できました。総合力の高さに加え、複数ポジションをこなす使い勝手や選球眼の高さを備えており、少なくとも何らかの形で一軍戦力になる可能性は非常に高い選手です。また、育成指名では大坪梓恩選手金子京介選手といった大砲候補を獲得しており、人員こそいるがなかなか大成しない右の強打者を今度こそ育てたいという意思が感じられました。

 

このように数あるチーム課題を総合的に改善しようとした好ドラフトであることは間違いないのですが、強いていえば左腕投手の獲得が高校生の伊藤大晟投手のみにとどまったことは気になりました。シーズン終了時点でイーグルスは左腕投手を支配下に9名しか抱えておらず、しかも早川隆久投手や鈴木翔天投手らコンディション面を不安視される既存左腕が複数名いる状況であることは、できればドラフト指名でも考慮したかったところです。

ただし、上記の左腕問題を気にしないのであれば、投手陣強化を軸に高いレベルでバランスの取れた指名であることは疑いようもなく、チーム力を底上げしてくれること間違いありません。

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンを助っ人6名体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は74名の見込みです。現状島内宏明選手岡島豪郎選手阿部寿樹選手という3名のベテラン野手についてしかリリースが発表されていないことから、イーグルス第二次戦力外通告期間において最も大きく動かなければならないチームの一つだと言えます。

第二次戦力外通告期間において人員を特に動かさなければいけないのは投手陣です。先のカープと重複しますが、20代後半~30代前半の中継ぎ陣に微妙な立場の投手が何名かいる印象です。もう少し具体的に踏み込むと、後半戦に出番を増やした津留崎大成投手あたりはボーダーラインより上にいると思っていますが、逆に津留崎投手よりも序列が下の中堅世代投手については危うい立場にあるように見えます。加えて、今年7月にトミージョン手術を行った徳山一翔投手については育成契約への移行が濃厚でしょう。

また、野手についても人員整理の余地が残されているように思います。特に内野手はもともと頭数も多く宗山塁選手黒川史陽選手など若手の台頭もあって出番をいっそう減らしている中堅世代がちらほらといる状況です。逆に捕手と外野手については元々かなり頭数不足であり、ドラフトで獲得した面々を加えてもようやく他球団並みの人数であることから、これらのポジションについては小規模な人員整理にとどまると考えます。

 

反対に今オフ獲得する選手について考えていくと、やはり投手陣の強化に一役買える存在はぜひ狙いたいところです。10/24時点で自由契約状態にある面々を見渡すと、今シーズンの加治屋蓮投手の再現を求めるべく漆原大晟投手あたりはトップターゲットになってくるでしょう。また、上記の左腕問題を重く見るのであれば実戦的な左腕投手もできれば獲得したく、福田俊投手あたりは対左打者を中心にリリーフとして輝ける気がします。また、当然ですがハワード投手ヤフーレ投手が退団濃厚と報道される中で新たな助っ人先発の確保は必須で、空振りが取れずかなり苦しんだヤフーレ投手の反省を活かし奪三振能力にはこだわって人選したいところです。

 

 

8.読売ジャイアンツ

指名選手

 

 

【指名の所感】

来シーズンに向けた投手力強化に主眼がおかれたドラフトという第一印象を抱きました。社会人No.1投手である丸和幸投手をいの一番に獲得したことはその象徴と言ってよく、しなやかな腕の振りで打者を差し込む球の精度は非常に高いです。社会人の割に体を鍛えて厚くする余地もまだ残されており、このあたりのトレーニングが上手くいけばエース格にまで成長してもおかしくありません。また、出力だけでいえば今ドラフト左腕でもNo.1の山城京平投手の確保にも成功したことも大きく、ギャンブル性は高いですがこちらもうまく育てばエース格になれるポテンシャルを有します。

一方、上記2名を除いた投手はどちらかというとリリーフ適性の高い面々だと言えるでしょう。2位で獲得した右のサイドハンド田和簾投手は直球変化球ともに器用にゾーンに投げ込める特徴を有しており、大勢投手とはまた違った長所を持っています。また、育成で獲得した二人の左腕はどちらも左打者にとって打ちづらい角度のボールを投じるタイプで、冨重英二郎投手はインステップ要素の強いフォームで奪三振を量産し、河野優作投手はサイドハンドで相手を幻惑することができます。逆に正統派右腕である林燦投手が目立つほどに、今回のジャイアンツの投手チョイスは強烈な個性を重視したものだったと言えるでしょう。

 

野手指名では、起用法のなかなか安定しない外野陣の強化に力を注いだ点が特に好印象です。4位の皆川岳飛選手は大学球界で最もレベルの高い東都大学連盟で常に安定した結果を残し続けた強打者で、守備走塁もセンターを無難にこなせる程度の能力は有しています。また、育成5位の知念大成選手は2年連続で二軍で安定した成績を残しており、こちらも無難にセンターをこなす力量を有します。この皆川選手と知念選手の2名は強烈なスケール感こそないものの、打撃の安定感に優れることから一軍戦力になる確率は非常に高く、来シーズンからのレギュラー争いへの期待が膨らみます。

その他野手指名に目を向けると、九州沖縄地区社会人野手最強との呼び声高い小濱佑斗選手は、貴重な右打ちショートの選手としてチーム力に厚みをもたらしてくれるでしょう。また、頭数の割に野手プロスペクトが充実していると言い難かったところに、高校生離れしたパワーを秘める藤井健翔選手と強打の捕手である松井蓮太朗選手を加えることができたことは、ファームの実戦機会を育成の場として有効活用できる点で大きいはずです。

 

ただし、今ドラフトでファンから期待された「ポスト岡本和真選手」の獲得については、高校生である藤井選手の獲得にとどまっており、少なくとも即効性に欠けるレベルのものにとどまりました。岡本選手の穴埋めをドラフトで行うというのはそもそも無理のある話なので仕方ないとはいえ、もう少し上位指名の枠を使ってその問題に取り組んでも良かったかもしれません。そのあたりの長打力補填は今後の補強に期待するとしましょう。

いずれにせよ、本ドラフトは今シーズンやや苦しんだ投手運用と外野手運用を改善するという意図が明確で、確実にチームの弱点を強化してくれる指名をできたことは間違いありません。

 

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンを助っ人6名体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は63名の見込みであり、さらに岡本和真選手MLB挑戦が確定的であることから、支配下枠自体はかなり空いています。しかし、大量に抱える育成選手の昇格に多めの枠を確保しなければならないことに加え、FA選手や戦力外選手の補強にも動く可能性が高いことを踏まえると、実際にはもう少し戦力整理に動く可能性もあります

ただし、現状のジャイアンツの支配下選手分布をみると、そこまで余裕のあるポジションがあるわけではありません。シーズン終了時点で人材過多であった外野手も既に4枠分空けたこともその一因として挙げられます。ということで、各ポジションから少しずつ人員整理する形になる可能性が高く、不遇気味の存在がちらほらいる右の中継ぎから1~2名、外野手からさらに1~2名、ユーティリティ野手から0~1名程度追加の枠空けが生じると予想します。

一方で選手獲得面について少し考えると、やはり「投手」「4番候補」「センター」の3つが大きなテーマになってきます。投手獲得でいえば前田健太投手獲得レースへの参戦が噂されるほか、MLB復帰が噂されるグリフィン投手の代役助っ人も必須です。他には阿部慎之助監督との関係性を考えれば澤村拓一投手獲得にも動いてくるのではないでしょうか。

次に4番候補については、近年助っ人で補填することが難しくなってきているものの、仮に退団濃厚とされているオースティン選手を狙えるのであれば有効な選択肢となるでしょう。また、センター系外野手については辰己涼介選手獲得レースへの参戦が噂されつつ、仮に彼がFA宣言しないとなれば次善の選択肢として西川遥輝選手あたりの獲得に動くのも悪くはないかもしれません。

 

 

9.オリックスバファローズ

指名選手

 

 

【指名の所感】

上位3名のスケール感のある高校生投手連続指名は個人的にかなりのインパクトでした。1位の藤川敦也投手はがっしりした体格に馬力を感じさせる剛腕型素材であり、かつスローボールでテンポを変えるなど器用さも有しています。そして2位の森陽樹投手は190cm超の大きなフレームから角度のあるボールを投じる大型右腕、3位の佐藤龍月投手はトミージョン手術を経てストレートの威力が増しつつあるセンバツ優勝左腕です。この3名の世代トップランカーたちをバファローズコーチ陣がどのように料理するかは見物で、宮城大弥投手や山下舜平大投手のように魅力そのままにパワーアップしてほしいと願うばかりです。

中位指名以降では大学生や独立リーグからの好投手獲得も行うことができました高谷舟投手はやや実戦値こそ少ないものの直球変化球ともに質が高く、シャピロマシュー一郎投手は193cmの大きなフレームに見合った剛球の精度がぐっと上がった大型右腕です。そして、育成4位で渡邉一生投手を獲得できたことは非常に美味しく、コントロールに難があるものの直球とチェンジアップのコンビネーションは強烈です

 

そして今回のバファローズの指名においては、投打の両方で大きなポテンシャルを持つ選手の獲得も目立ちました。4位の窪田洋祐選手は投手としても常時145km/h前後の角度あるボールを投げ込むも、プロでは高い身体能力と豪快なスイングを活かして外野手となる見込みです。また、6位の石川ケニー選手は投げてはMax150km/hのうえ打撃センスもある怪物候補といえます。育成1位の三方陽登選手も野手に専念したのは大学3年生になってからであり、芯に当たった時の飛距離はまさにスラッガーのそれです。

一方で7位指名の野上士耀選手は精度と強さを併せ持った送球面に秀でており、中西創大選手は柔らかなトップクラスのグラブさばきを武器としている高校生野手です。それぞれキャッチャーとショートという守備難易度の高いポジションに残れるだけの素養を有しており、決して上記ポジションのプロスペクトが充実しているとはいえないバファローズにおいて貴重な存在になるでしょう。

 

ただ、本ドラフトは明らかに「ロマン」に振り切った指名と言わざるを得ず、来シーズンすぐに使える選手は正直ほとんど見当たりません指名選手の中では比較的完成度のある高谷投手あたりも、即戦力というよりは1年間二軍で鍛えたうえで力を発揮するという見立てですので、短期的な上積み自体はかなり少ないドラフトに見えてしまいました。

それでも、リーグ内にホークスとファイターズという強敵がいる以上、優勝を掴むためにはチームを大きいものにする指名が必要でした。そういう危機感が見て取れた今回のバファローズの指名が、育成環境と噛み合って特大リターンをもたらすことを切に願います。

 

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンを助っ人5名体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は70名の見込みです。育成選手を比較的多く抱えているチーム事情も踏まえ、バファローズについては第二次戦力外通告期間でも大きめの動きを取らなければならない状況にあるはずです。

今後の人員整理は投手陣が中心になると思われます。シーズン終了時点で支配下に38名と多く投手を抱えていたことから、現状の3名のリリースでは枠空けとしてはやや少ないです。ここでまず考えなければならないのが、吉田輝星投手宇田川優希投手小木田敦也投手東山玲士投手らトミージョン組の回復具合ですが、一般的なリハビリ期間のことを考えると吉田投手以外は育成契約に移行することが濃厚でしょう。また、トミージョン組の降格だけでは枠空けとしては不十分な感もあり、その場合は既に戦力外通告された井口和朋投手本田圭佑投手らと同様、今シーズン10登板前後にとどまった中堅どころのリリーバーの立場が危うくなるかもしれません。

一方、野手についてはデプスのことを考えるとあまり人員整理する余裕はありません。強いて言えば野上選手を加えて多少頭数に余裕の出た捕手あたりは、何らか人員整理の動きがあってもおかしくはないでしょう。

 

今後の補強でいうと、まず今シーズンディアス選手オリバレス選手が不発に終わった助っ人野手の入れ替えは必須事項でしょう。特に一、三塁はある程度日本人選手で回せているものの中軸を担うほどの存在に欠けることから、懲りずに財政的リソースを注いでいきたいところです。その他野手陣では二遊間のデプスが相変わらず薄いままですので、こちらもできれば強化を図りたいものです。ただし10/24時点で自由契約状態にある面々には有力な候補がいない状況のため、ここはFA宣言選手の動向を含めて市場を注視していきたいところでしょう。

投手陣の補強にも何らか手を付けたいところです。故障者の多い投手事情を踏まえると健康体で運用を支えてくれる存在は特にほしいはずで、馬場皐輔投手あたりを獲得できれば確実にチームに貢献してくれるでしょう。

 

 

 

10.横浜DeNAベイスターズ

指名選手

 

  • 育成1位:清水詩太選手(京都国際高校)

 

【指名の所感】

ドラフト前の大方の予想に反し、圧倒的な長打力を有する佐々木麟太郎選手の入札に踏み切りました。ただ、補強ポイント目線でいえば佐々木選手は翌々シーズンのDH制導入後には噛み合う人材ではあるものの、守備位置的にはファースト以外考えにくいタイプで、そもそもNPB入りするか不透明な点も踏まえるとかなりリスクも大きい指名でした。そういう意味では、結果的に小田康一郎選手の指名に落ち着いてホッとしている、というのが個人としての感想です。

その小田選手は天才的ともいわれるバッティングが持ち味の打撃職人で、難しいボールにもきちんとコンタクトしてヒットゾーンに飛ばせる技術に長けています。脚力や肩力もなかなかの素質を有しており、ファーストだけでなくサードや外野での起用可能性も広がっている点も魅力的です。

また、3位の宮下朝陽選手はやや調子のムラがあるものの攻守に大きなスケール感を秘める大型ショートであり、小兵タイプがやや多いベイスターズ内野陣にはあまりない強みを持つ点も評価したいポイントです。逆に5位の成瀬脩人選手攻守に安定した技術の光る玄人好みの右打ちショートで、こちらは早々に柴田竜拓選手あたりとの競争の中で一軍での出番を勝ち取ることに期待したい存在です。そして、育成1位の清水詩太選手は高校生としては攻守に安定感のある右打ちサードであり、木製バットへの適応も見せていることから1年目から二軍で実戦機会を与えていきたいところです。

 

一方で投手指名については、即戦力の期待感もある2名を獲得でき、まさに少数精鋭というべき指名ができました。2位の島田舜也投手は常時150km/h前後の馬力あるストレートを投げ続けられる剛腕型右腕で、少なくともリリーフであれば1年目から一軍で投げてくれるだけの力量を有します。4位の片山皓心投手は球持ちの良いストレートとブレーキの利いたチェンジアップを軸にコースを突ける軟投派左腕で、助っ人投手の去就次第で流動的な先発陣において早々に力を発揮してもらいたい存在だと言えます。

 

ただし、島田投手と片山投手の人選自体には何の不満もありませんが、今シーズンも助っ人頼み感が強く層の薄さを露呈した投手陣の再編にあたり、投手2名の指名にとどまった点はやや疑問が残ります。さすがに下位指名で先発候補を獲得することは難しかったでしょうが、リリーフ候補であれば6位以降や育成枠を使って指名する余地があったのではないかと思わなくはありません。

それでも、支配下で指名された5名は1年目からある程度一軍で結果を残してくれるイメージが十分つくほどのクオリティを有しており、少数精鋭ドラフトの名に相応しい即効性に期待できる指名だったと思います。

 

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンを助っ人6名(+ビシエド選手)体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は66名の見込みで、頭数のうえではこのままでも編成として成り立つことになります。しかし、今オフだけでも複数の支配下選手に対し故障を理由とした育成降格の処置を行っており、彼らの昇格枠をある程度空けておく必要がありますし、他球団リリース組の獲得にある程度積極的なチーム性も加味すると、更に数枠分戦力整理を行う可能性が高いです。

まず、投手陣については既に8枠分リリースが行われているものの、そもそもシーズン終了時点で39名もの投手を支配下に抱えていたわけですから、まだ多少人員整理の余地が残っているのが実情です。このあたりは去就が不透明なケイ投手ジャクソン投手藤浪晋太郎投手あたりの動向にも左右されるでしょうが、投手であと2名程度人員整理があってもおかしくはありません。

逆に野手陣については、各ポジションに出番の少ない中堅ベテラン選手がちらほらいるものの、デプスは全体的にさほど厚くないことからそこまで積極的にリリースできるとは言い難いです。今後の追加リリースがあったとしても、捕手陣から0~1名、内外野陣から1~2名程度の枠空けにとどまると予想します。

 

今後の補強については、前述の通りドラフトだけでは投手陣強化に物足りなさがあるので、その点が中心となってくるでしょう。特に左腕についてはシーズン終了時点で支配下に9名しかおらず、さらにそこから3名育成枠へ移行、さらにケイ投手の退団が有力視されていることから、何らかの強化は必須です。10/24時点で自由契約状態にある面々でいえば、やはり山本大貴投手あたりの獲得は狙いたいところでしょう。また、ケイ投手の後釜となる助っ人もある程度のお金をかけて獲得しなければなりません。

その他、外野手の頭数が少ない点も地味に気になるところです。比較的若い世代の外野手が左打ちに偏っていることから、野口恭佑選手あたりは育成で獲得できれば面白い存在になることでしょう。

 

 

11.北海道日本ハムファイターズ

指名選手

 

 

【指名の所感】

1位入札で立石正広選手、外れ1位で平川蓮選手に入札するところまでは世間的にも予想の範疇だったはずですが、そのクジを外した後に大川慈英投手に入札する展開は正直予想外でした。その大川投手は常時150km/h前後の伸びのあるストレートと落差のある変化球で三振を量産するうえ、制球にも安定感がある右腕です。リリーフとしての適性は今年の大学生でも随一で、やや高齢化しつつある中継ぎ陣に1年目から割って入る活躍を期待してよいでしょう。リリーフとしては育成2位の横山永遠投手も面白い存在で、短いイニングであれば150km/h近いストレートを連発できるうえに、高い身体能力の持ち主ゆえさらなる伸びしろも感じさせます。

 

とはいえ、ファイターズの今ドラフトにおける主題が、「センターラインの中長期的目線での強化」であったことは間違いありませんエドポロケイン選手まさに日本人にはない圧倒的なフィジカル&パワーが魅力的で、まだまだプロレベルで見れば粗削りなものの、それでもここ1年で攻守ともに技術面で大幅な成長を見せました。万波中正選手や水谷瞬選手と外野陣を形成する絵はもはやMLB球団のようです。

一方、3位の大塚瑠晏選手は今年の大学生では頭一つ抜けた守備技術を持つショート系内野手で、打撃面ではやや波があるものの速い球にも負けじとフルスイングを仕掛けられる姿もプロ向きといえます。大学生ショートでいえば育成1位の常谷拓輝選手は大塚選手と異なる魅力を有しており、強肩に裏打ちされた鋭い送球と広角に安打を放てる打撃技術が持ち味の右打ち内野手です。昨シーズンの山縣秀選手に続き、この大塚選手と常谷選手についても、明確なレギュラーのいない二遊間の勢力図を塗り替えてくれる期待感は十二分にあります。

また、二軍で育てるべきプロスペクトの確保という目線でも、今ドラフトではセンターラインの強化に成功しています。4位の半田南十選手は巧さと強さを兼ね備えた打撃が武器の高校生ショートで、強肩を武器に一定の守備力を有している点も評価に値します。また、5位の藤森海斗選手はやや細身ながらも走攻守にセンスが高く、キャッチャーとしてもセンターとしても可能性が広がる点も含め、野手プロスペクトがさほど多くないファイターズのチーム事情にマッチした指名だと言えるでしょう。

 

本ドラフトを評価するうえでは、昨年2024ドラフトにおいてファイターズは投手中心のドラフトを行った、という事実を考慮しなければなりません。この2025ドラフト単体で見るとポジションの偏りにややもどかしさを覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、2年単位で合わせて見ていくとかなりバランスの取れた指名であるように見えてくるはずです。競合の末クジを2回外した点は残念でしたが、それでもファイターズが長い目線でチーム強化を目論んでいることが改めて窺えるドラフトであったように思います。

 

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンを助っ人5名体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は70名の見込みです。つい先日までCSを戦っていたこともあって戦力整理自体はあまり進んでいない状況にあり、第二次戦力外通告期間で大きめの動きを取らなければならないチームの一つだと言っていいでしょう。

今後の追加リリースは投手が中心になると予想します。シーズン終了時点で38名と多めに投手を抱えており、現時点で戦力外通告発表された投手が2名にとどまっているのがその理由です。先日福田俊投手石川直也投手のリリースが発表されましたが、まだ20代後半の年代に出番を掴み切れない中継ぎ投手がちらほらいる印象で、そういった投手のうち数名は今後の整理対象になるでしょう。

また、野手陣についても20代後半の年代に序列が下がり気味の存在が各ポジションにちらほらいます。ただし彼らについてはある程度のトレードバリューを有しており、ただ単に戦力外通告という形で放出するにはもったいない存在のようにも思えます。そういう判断で20代後半の不遇の実力者をキープする選択を取った場合は、そのしわ寄せとして意外な20代前半の若手選手を育成枠に移すことで無理やり枠を空けてくる可能性もあり得ます。

 

今後の補強方針として、まずザバラ投手バーヘイゲン投手の退団が有力視されていることから、新たな助っ人投手の確保は必須でしょう。台湾の剛腕徐若煕投手の獲得調査に乗り出しているとの報道も出ていますが、それに加えてもう1名は確保しておきたいところでしょう。

一方、自由契約状態にある日本人選手の獲得については、現有戦力が比較的充実していることから無理に獲得しなくてもよい状況にあります。もし獲得に動くのであれば、昨オフの清宮虎多朗投手松岡洸希投手のように若くて伸びしろを感じさせる選手を育成枠で狙う可能性が高いはずで、10/24時点で自由契約状態にある面々でいえば、小林樹斗投手あたりが候補に入ってくるでしょうか。

 

 

12.阪神タイガース

指名選手

 

  • 育成1位:神宮僚介投手(東農大北海道オホーツク)
  • 育成2位:山崎照英選手(兵庫ブレイバーズ)

 

【指名の所感】

今ドラフトの目玉として人気の存在であった大学生No.1スラッガー立石正広選手の確保に成功しました。立石選手の打球は軽く振ったように見えてもグングン伸びていき、まさに天性のスラッガーとしての素質を有する逸材です。加えて、メインポジションはサードであるもののショートとキャッチャー以外ならどこもこなせそうな身体能力と使い勝手も有しており、チーム事情に合わせて実戦機会を与えられる点も魅力的です。森下翔太選手、佐藤輝明選手、大山悠輔選手というドラ1の世代No.1スラッガーが並ぶ打線に立石選手が加わるのは贅沢というほかありません。現状のタイガースの布陣を考えると、まずはレフトのレギュラー争いからスタートする形になるでしょうか。

そして、今年のタイガースのドラフトは、立石選手にとどまらず2位以降でも野手指名の手を緩めなかった点が素晴らしかったです。2位の谷端将伍選手もパワーとコンタクト力を併せ持つ打撃が光り、その打撃だけでいえば大学生右打者の中で立石選手に次ぐレベルの総合力を有します。また、3位の岡城快生選手は今年の大学生ではNo.1の脚力に加え強肩強打でもある右のアスリート系外野手で、現状やや粗削りな感はあるものの、近本光司選手の後釜候補として最適な人材を確保できました。俊足の外野手としては育成2位の山崎照英選手も面白い存在で、自慢の足に加えて守備も鍛えてチームに必要な人材に成長してもらいたいところです。(ちなみに、今年1試合だけ関西独立リーグの試合を現地観戦しており、そこで山崎選手のプレーも拝見しました。この点のみ西尾典文氏に勝利!)

 

一方、投手指名については支配下で2名、育成で1名と、やや控えめな人数にとどまりました。それでも、4位の早瀬朔投手高校生投手としては十分な出力を既に持っていることに加え、細身かつ長い手足が特徴的なフォルムの持ち主であることから、いかにも大化けそうな好素材右腕であることは間違いありません。また、5位の能登嵩都投手は多彩な球種を一定のクオリティで投げ込める総合力の高い先発型右腕で、安定したゲームメイクが見込める点が魅力的です。今シーズンの早川太貴投手の如く要所で一軍戦力として食い込む働きが望めるでしょう。育成1位の神宮僚介投手は今秋にトミージョン手術から見事に復活して自己最速を更新した右のサイドハンドで、ここから更に出力を伸ばせれば鋭いスライダーを武器に右打者を手玉に取る活躍が期待できます。

 

ということで、今ドラフトにおけるタイガースの指名が充実した投手陣を背景に満足度の高い指名であったことは間違いないのですが、敢えて難癖をつけるのであればショートのデプス強化を図らなかった点はやや気になります。今シーズンは小幡竜平選手や熊谷敬宥選手が自己ベストの成績を残し、控えにも強肩強打の木浪聖也選手や守備範囲に長ける山田脩也選手がいるわけですが、レギュラーという意味では現状不在である以上、何らかの形で競争をさらに促進してほしかったところではあります。

とはいえ、大学生野手豊作とも言われる市場の中で、そのトップランカーである立石選手を含めて右の強打者3名をかっさらっていった今回の指名は圧巻というほかなく、タイガースの黄金期を継続進化させるうえで十分すぎる一手となりました。

 

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンを助っ人6名体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は66名の見込みです。ただしこの仮定は今シーズン終了時点で7名抱えていた助っ人が減るだろうという予測によるものですので、実際の外国人補強によっては多少前後することがありえます。育成枠に抱える選手がそこまで多くないタイガースにとって、これ以上の枠空けはあまり必要ないかもしれません

中でも投手陣については、日本人投手のリリースによる枠空けを行うにはかなりハードルが高い状況にあります。何しろ漆原大晟投手をリリースしたくらいなのですから、それだけ残っている面々は実力者or有望株ばかりであることが窺えます。万が一あるとすれば、伸び悩み気味の若手を1名育成に移すくらいでしょうか。

一方、野手陣についても、頭数の関係上そこまで大幅に頭数を削る余地のあるポジションは少ないように思います。その中でよく整理対象としていわれがちな捕手陣ですが、今ドラフトでは新戦力の獲得に至らなかったうえ、ファンから名前の挙がりやすい長坂拳弥選手日本シリーズのメンバー入りしたことから。今オフは既存捕手をキープする可能性も出てきたように思います。むしろ、さほど振るわない中堅世代が目立つ外野陣のほうが戦力整理の対象になる可能性が高く、デプスの観点上そこまで多くの人数はリリースできませんが、それでももう1名程度の放出があっても不思議ではありません。

 

補強面についても軽く触れておくと、シーズン通して散発的な貢献に終わったヘルナンデス選手に代わる助っ人野手はぜひ獲得しておきたいところです。ただしコーナーポジションを日本人選手でそれなりに固められているタイガースがどういう助っ人野手を獲得するかは難しく、方向性としてはヘルナンデス選手と同様に内外野をある程度務められるパワーヒッターを狙う路線が妥当なように思います。

また、前述の通りショートのデプスにはやや不安があるため、できれば何らかの形で強化を図りたいところです。ただし、10/24時点で自由契約状態にある面々の中に、そういった需要を満たす選手は乏しい状況にあります。年齢を度外視すれば田中広輔選手は候補になってくるかもしれませんが、比較的若いチームに田中選手がフィットするかというと難しさもあるでしょう。

 

 

13.福岡ソフトバンクホークス

指名選手

 

  • 育成1位:池田栞太選手(関根学園高校)
  • 育成2位:江崎歩選手(福井工業大福井高校)
  • 育成3位:大矢琉晟投手(中京大学
  • 育成4位:大橋令和選手(オイスカ浜松国際高校)
  • 育成5位:鈴木貴大選手(Club Rebase)
  • 育成6位:長崎蓮汰投手(滋賀学園高校
  • 育成7位:エミールセラーノプレンサ選手(幸福の科学学園高校)
  • 育成8位:大山北斗投手(中央大準硬式)

 

【指名の所感】

まず本記事の前提として、佐々木麟太郎選手の入団交渉が失敗するかもしれないという可能性は一旦無視するものとし、2027年シーズンからホークスの一員としてプレーする前提で所感を述べていきます。

今シーズンも含め、近年のホークスは打線の中軸をベテランでかなり占めている状況にあり、特にファーストを担う中村晃選手は11月で36歳、山川穂高選手も同様に11月で34歳を迎えます。そうした世代交代の必要性が年々高まるチーム課題に対し、佐々木選手はこれ以上ない解答となることは間違いありません。脚力や肩力は平凡で事実上ファースト専門という弱点はあるものの、恵まれた体格から放たれる豪快な打球は歴代日本人でもトップクラスの素質を感じさせるものであり、強力ホークス打線の新たな旗印になる将来は用意に想像できます。

ただし、佐々木選手が27年からNPBでプレーしたとして、環境の変化の大きさなど考えると、いきなり一軍戦力として活躍できるかはかなり未知数です。そこで効いてくるのが5位で獲得した高橋隆慶選手で、好投手も多い社会人野球、それも関東地区を主戦場に年間通して長打を量産してきたことを考えると、打撃の安心感では佐々木選手を上回ります。サード守備も含めてここ1年で一気に成績を伸ばした選手でありますので、この成長曲線をプロ入り後もキープできれば、実力者だらけの打線に割って入るだけの素質は有しているでしょう。

その他野手指名では池田栞太選手大橋令和選手という2名の高校生野手に特に注目しています。池田選手は大きな身体に秘めたパワーと矢のような送球が魅力の強肩強打の捕手で、大橋選手は俊足と軽やかなステップが魅力の右打ちショートです。池田選手にとっては盛島稜大選手あたりが、大橋選手にとっては中澤恒貴選手あたりが当面の強力なライバルとなるでしょうが、彼らとの競争の中で強みを伸ばしてまずは二軍での立ち位置を確保してもらいたいものです。

 

一方、投手指名に目を向けると、育成指名を含めて5名の多士済々というべき右腕を陣容に加えられた点が特に印象的です。2位の稲川竜汰投手はまさに躍動感のあるフォームから力の乗ったストレートと落差のある変化球で打者を押し切るパワーピッチャーで、今秋のパフォーマンスを維持できれば早いうちに中継ぎの一角として一軍戦力に食い込めるでしょう。また、3位の鈴木豪太投手一定の球威と高い制球力を誇る右のサイドハンドで、変則投法らしいクセ球を操る様はまさに実戦向きで、先発中継ぎともに適性を見せる点も魅力的です。4位の相良雅斗投手しなやかな腕の振りから球速以上に伸びるストレートを武器とするタフネス右腕で、手足が長いからかやや細身にも見える体格はさらなる将来性も感じさせます。このように、一見大学生右腕というカテゴリでまとめられがちな支配下投手3名だけ見ても、それぞれ異なる魅力を有する好投手であることは間違いありません。

そして、育成指名で獲得した大学生投手も支配下の面々に負けず劣らず魅力的な顔ぶれです。大矢琉晟投手は実戦経験こそさほど多くないものの、ストレートの球速は常時150km/h前後を計測するうえ、落差の大きいフォークとのコンビネーションは世代でも上位級の右のリリーバー候補です。出力に魅力がある点では大山北斗投手も同様で、ややスピードの出にくい準硬式球でMax152km/hを叩き出す準硬式球界の逸材であり、環境面の大きな変化を味方にできれば、やや素材感のある体型も相まって一気に支配下へ昇り詰めてくれるはずです。

 

このようにやや独自路線ながら力量十分の面々を確保できたドラフトであることは間違いありませんが、一つ懸念材料を挙げるとすれば、捕手指名が高校生の池田選手のみにとどまった点は若干気になりました。今シーズンは海野隆司選手が攻守に成長を遂げたほか、ベテラン嶺井博希選手、強打の谷川原健太選手、渡邉陸選手が控えています。しかし、戦力が全体的に充実しているホークスの中で、捕手陣は相対的に弱点と言えてしまうわけで、来シーズンの戦いに向けたテコ入れを何らか行ってほしかった気もします。

とはいえ、来シーズン以降の黄金期継続に向けて必要な戦力を確保しつつ、長期目線で佐々木選手という新たな打線のコアを擁立しようとした今ドラフトにおけるホークスの指名は、個人的に12球団の中で最も興味深い内容となりました。

 

 

【今オフ今後の動向】

来シーズンを助っ人5名(+モイネロ投手)体制で臨むと仮定した場合、現時点で支配下登録人数は70名の見込みです。日本シリーズを控えるチームですので戦力整理の動きがゆっくりなのは当然ですが、第二次戦力外通告期間において最も大きく動かなければならないチームと言って過言ではありません。育成選手の昇格枠を多く空けなければならないチーム事情を勘案すると、ここから追加で10名程度の支配下枠整理が行われることもあり得ます。

その中で投手陣は、既に4名の戦力外通告がなされているものの、第二次戦力外通告期間においても複数名のリリースが見込まれます。特に、30歳前後の世代に今シーズン振るわなかった投手が散見され、そうした投手から数名はリリースの対象になる可能性が高いです。逆に、野手陣は中堅ベテラン世代がほぼ漏れなく一定の結果を今シーズンに一軍で出しており、純粋な余剰戦力としてリリースする選手がほぼいません。

となると、投手野手問わず意外な若手ホープが育成落ちになる可能性は大いにあり得ます。ファン目線ではプロスペクトに見えていたとしても、編成面を鑑みると枠空けの対象にせざるを得ない、そんな選手が今オフも3,4名ほど現れても不思議ではありません

 

一方で補強面に目を向けると、来シーズンからモイネロ投手が日本人枠に移ることから、新たに大物助っ人を登録する枠が空いたのは朗報です。スチュワートJr.投手の健康面が心配な上、ダウンズ選手は年俸的に最悪1.5軍的な扱いも取れることを加味すると、前述の仮定とはやや矛盾しますが、投手と野手に1名ずつくらいは新助っ人を迎える余地はあるでしょう。

その一方、ファームまで選手が充実しているホークスに関して言えば他球団リリース組を獲得する余地はあまりなく、言葉は悪いですが中途半端な日本人選手を獲得する動機はあまりありません。唯一あるとすれば捕手強化に一役買える選手くらいですが、10/24時点で自由契約状態にある面々を見ても、適切な人材はほとんどいない状況です。先発ローテを担える投手や、中軸を担える野手が市場に出てきたらいの一番に手を挙げるでしょうが、今オフはそういう大物選手も少ない気がしています

 

14.個人的ドラフト順位付け(おまけ)

前項でも触れた通り、佐々木麟太郎選手含め指名選手が全員入団すると仮定して、完全に個人的感性に基づいた順位付けを以下の通り発表していきます。ただし、保険をかけるわけではないですが、今年のドラフトは12球団どこも悪くない指名だったと思っています。12位のチームがダメなドラフトだとは思っていません

 

 

バファローズファンのみなさま、大変申し訳ございません。

指名選手個々の能力はすごくいいと思いますが、全体を通してあまりにロマン全開というか、ハイリスクハイリターン感が強い指名に怖さを感じてしまいました・・・。例年であればこういうロマン型指名はもう少し評価を上げるのですが、今年はどこも押さえるべきところを押さえた指名をしている分、総倒れのリスクもなくはない指名は相対的に評価を下げざるを得ませんでした。

 

ちなみに、今回の順位付けが他の有識者の意見に影響を受けないよう、他のドラフト採点的な記事は見ないように意識しました。

 

 

ということで、非常に長い記事になってしまいましたが、本記事の内容は以上です。

他記事と少しでも差別化しようと、ドラフト指名を踏まえた今後の各球団の編成の動きに関する内容を盛り込んでみましたが、かえって冗長になってしまった気もしています・・・。

 

ということで、ここまで拙い記事を根気強く読んでくださり、誠にありがとうございました。

次回も何らか今ドラフトに関する記事を上げる予定です。