0.まえがき
みなさんこんにちは。いまだに現地で贔屓球団のサヨナラ勝ちを見たことがない、ベイダーたかはしと申します。(サヨナラ負けは何度かある)
プロ野球のレギュラーシーズンも残り1か月となり、チーム成績や個人タイトル争いも白熱しております。一方で、既に何選手かは今シーズン限りでの現役引退を表明するなど、ファンとしてもオフシーズンに向けての選手入れ替えを本格的に意識し始める、そんな時期に差し掛かってきております。
球団によってばらつきは大きいですが、各球団ごとに毎年10選手前後の入れ替わりが発生し、その過程では残念ながらチームを退団せざるを得なくなる選手も多数いるものです。
そんなプロ野球選手としての生き残りをかけて、残りの約1か月間で特に挽回が必要と思われる選手たちを中心にピックアップさせていただきます。
(ここまでセリーグ編の使いまわし)
今回はパリーグ6球団について特集します。セリーグ6球団については前回記事にて特集済です。
- 0.まえがき
- 1.支配下登録選手一覧表の見方(セリーグ編と同内容)
- 2.オリックスバファローズ
- 3.千葉ロッテマリーンズ
- 4.福岡ソフトバンクホークス
- 5.東北楽天ゴールデンイーグルス
- 6.埼玉西武ライオンズ
- 7.北海道日本ハムファイターズ
1.支配下登録選手一覧表の見方(セリーグ編と同内容)
今回、各球団毎に「年齢」「ポジション」「一軍出場数」に着目して、支配下登録全選手を集計し、一覧表にしました。(育成選手は今回集計外)
【年齢】
- 2025年3月31日時点の年齢でカウント
【ポジション】
- NPBにおける登録区分に基づいてカウント(なので、たとえば日本ハム郡司選手は捕手登録扱い)
- 加えて、投手については今シーズンの出場傾向に基づいて、先発型/リリーフ型の二つに分類。(迷ったら先発型でカウント)
【2024年の一軍出場数 ※2024/9/9時点の成績でカウント】
- 赤太字:一軍の主軸として出場(野手:100試合出場以上もしくは300打席以上、投手:100イニング以上もしくは40登板以上)
- 赤細字:一軍で多く出場機会あり(野手:50試合出場以上もしくは150打席以上、投手:50イニング以上もしくは20登板以上)
- 黒細字:一軍でまずまずの出場機会あり(赤字/青字のいずれの基準にも当てはまらない)
- 青細字:一軍でほとんど出場機会なし(10試合出場未満かつ20打席未満、投手:10イニング未満かつ5登板未満)
- 青太字:一軍で出場機会なし
以上の基準で集計した表を見ながら、各球団の状況についてみていきましょう。あくまで「年齢」「出場機会」の観点を重視して選手をピックアップしている点はご承知おき願います。
なお、本記事では外国人枠選手については言及しないほか、自ら進退の決断を下せる立場(と思われる)選手については基本的に言及しません。
2.オリックスバファローズ
【投手】
- 阿部翔太投手:セットアッパーとして3連覇に貢献した遅咲き右腕ですが、今シーズンは夏場以降一軍での出番を失っており、二軍でも本調子とは言えない投球が続いています。実績十分で今シーズンの成績も悪くないのですが、オリックスの分厚い投手陣容を考えると、他にリリース候補となる投手がかなり少なく、立場としてはかなり苦しくなってきています。
- 村西良太投手:変則右腕として堅実にコースを突く投球が持ち味の投手で、昨年はウエスタンリーグ最優秀防御率を記録しましたが、今シーズンは一軍二軍ともに成績低下気味です。投球時の腕を下げる(というかアンダー気味)など試行錯誤中ですが、なかなか結果につながっていないのが実情です。
- 横山楓投手:即戦力リリーフ候補として入団し3年が経過しましたが、今のところ明確な結果を出せていません。変則投法から繰り出される直球に魅力はあるものの、同世代に実績で上回る右のリリーフが多く在籍しているのもあり、オリックス投手陣では若手とは言えない横山投手の立場は思わしくない状況です。
【野手】
- Tー岡田選手:オリックスバファローズとしての2回目のドラフトで入団した、地元出身の和製大砲も、ついにユニフォームを脱ぐことを決めました。低迷期も支え続けたフランチャイズプレイヤーが、晩年に優勝の美酒を味わえたことに、喜びを感じるファンも多くいたかと存じます。現役生活お疲れ様でした。
- 小田裕也選手:高い身体能力を武器に外野のスーパーサブとして活躍しつづけてきましたが、35歳となる今シーズンは出番が減少気味です。二軍ではまだまだ健在ですが、若い世代の守備走塁型外野手が増加傾向であることは、小田選手にとっては逆風です。功労者の一人ではありますが、今オフに野手の大幅な入れ替えを敢行するのであれば微妙な立場かもしれません。
- 大城滉二選手:パンチ力もある内野のユーティリティとして、一時期はレギュラー格として活躍しましたが、チームの躍進と反比例するように出番を減らしてしまい、今シーズンは一軍でわずか1試合出場にとどまっています。同世代かつ似たタイプの山足選手と比較して、一軍二軍ともに、今シーズンの成績で下回ってしまっているのが苦しいところです。
- 佐野皓大選手:球界屈指の俊足を武器に、ここ数年一軍戦力として存在感を放っていましたが、今シーズンは、一軍でわずか4試合出場と、めっきり出番が減ってしまいました。年々盗塁数が減少傾向なのも気になるポイントで、現状年下の外野手たちの突き上げを許してしまっている格好です。
- 元謙太選手:今シーズン、特に外野手の攻撃力に課題を抱えていたオリックスが、オフに大幅な入れ替えを敢行する可能性はあり得るでしょう。その中で、まだ高卒4年目とはいえ、現状一軍二軍で目立った成績を残せていない元選手も、入れ替え候補とみなされるかもしれません。将来性のある年齢とはいえ、残り1か月で挽回の必要な立場でしょう。
3.千葉ロッテマリーンズ
【投手】
- 美馬学投手:楽天、ロッテの二球団で、多彩な変化球を武器にここまで安定した成績を残してきた、通算80勝右腕です。しかし、今シーズンはここまで一軍で3試合の登板にとどまっており、いずれもピリッとしない内容となっています。実績は豊富なものの、高額年俸もあり、先発の一角としての立場が若干怪しくなってきています。
- 二保旭投手:先発中継ぎともにこなせる器用な右腕で、今シーズンは開幕直後に支配下に昇格したものの、その後一軍で失点を重ねてしまっています。結果だけでなく、年齢や入団経緯を踏まえると、ロッテ投手陣の中でも最も厳しい立場に追い込まれていると思われます。
- 東條大樹投手:変則フォームから繰り出されるスライダーを武器にセットアッパーとして活躍しましたが、今シーズンは一軍での登板がなく、二軍でも「まずまず」止まりの成績です。同世代の右のリリーバーが多いのも逆風で、功労者ではありますがチーム内序列は低下気味です。
- 二木康太投手:未来のエース候補として、20代前半から完投能力の高い先発として活躍してきましたが、ここ数年は徐々に成績を低下させており、ここ2年は一軍登板がありません。ただ、中堅層の先発候補が多くないこともあり、残り1か月でアピールに成功できるかが、ロッテ投手陣における生き残りのポイントとなります。
- 小野郁投手:昨年に右肘を手術して以降、パフォーマンスが上がっておらず、今シーズンもいまだ一軍登板がありません。東條投手の項でも記載の通り、右のリリーバーについては人材過多気味なので、実績ある小野投手と言えども、難しい立場にあるかもしれません。
- 吉田凌投手:今シーズン支配下契約を掴み、二軍では安定した投球を披露しているものの、一軍では定位置を確保するに至っていません。東妻投手、廣畑投手、八木投手など、同世代に似た成績の投手が多く、彼らと競争する立場にありますが、入団経緯を踏まえ、吉田投手がやや遅れを取っている状況にあると推測します。
- 本前郁也投手:貴重な左の先発候補と言える存在ですが、今シーズンは一軍二軍ともに登板がありません。腕の怪我に悩まされているとのことで、患部の状態によっては育成契約に切り替わるでしょう。
- 森遼大朗投手:今年5月にトミージョン手術を受けるなど、怪我に悩まされて続けています。来シーズン開幕を育成契約で迎える可能性は高いでしょう。
【野手】
- 井上晴哉選手:強風吹くZOZOマリンで2年連続24本塁打を放つなど、一時期はリーグ屈指の和製大砲として鳴らしましたが、今シーズンはとうとう一軍出場ゼロとなっています。昨年は良好であった二軍成績も今シーズンは振るっておらず、守備位置も限られていることを考えると、ロッテで残されたチャンスは多くないかもしれません。
- 菅野剛士選手:パンチ力のある打撃で今シーズン再び支配下に返り咲きましたが、ここまで一軍出場はありません。外野陣の大ベテランがいまだ健在な中、打撃でアピールが必要な菅野選手の立場は、かなり危ういものとなっています。
- 植田将太選手:昨シーズン二軍でまずまずの成績を残し、一軍デビューも飾りましたが、今シーズンは二軍打率.155と振るっていません。支配下の捕手人数が多くないことからチームからの需要はあるかと思いますが、とはいえ捕手陣の中では最も苦しい立場にあるでしょう。
- 平沢大河選手:甲子園を沸かせたかつてのスター候補生も、チーム内における明確な役割を見つけられないままプロ8年目を迎えました。今シーズンは一軍で出番がないどころか、二軍でも成績が振るっておらず、ポジションがいまだ定まりきらないこともあり、チーム内の序列はかなり低下しています。
4.福岡ソフトバンクホークス
【投手】
- 板東湧梧投手:先発も中継ぎもこなせる完成度の高い右腕ですが、今シーズンは大津投手らとの先発枠争いに敗れ、二軍のイニングイータ―をこなすにとどまっています。二軍成績を見ると奪三振率が低めなのは気になるポイントで、ソフトバンク投手陣の中では球威にやや劣ると見られているかもしれません。
- 笠谷俊介投手:こちらも先発中継ぎをこなせるハイレベルな左腕ですが、今シーズンはここまで先発枠争いでライバルの後塵を拝している状況です。球威はあるものの制球面にやや課題がある点が、首脳陣からはネックに映っているかもしれません。板東投手と共に、仮にソフトバンクから放出となれば、他球団からの注目を集めることになるでしょう。
- 中村亮太投手:ここ数年、二軍では好成績を残して支配下に昇格するものの、一軍では打ちこまれしまうシーズンが続いています。今シーズンも好成績を残し支配下契約を掴んだものの、一軍の壁にはじき返されてしまった格好です。ポテンシャルは高いものの、ソフトバンクの厳しい競争下では、育成枠に逆戻り、もしくはリリースという可能性も否定できません。
- 尾形崇斗投手:今シーズンは春先コンディション不良で出遅れ、その後一軍二軍ともに好成績は残せていません。ソフトバンク投手陣の中では実績面でもやや見劣りすることから、残念ながらその立場は厳しいと言わざるを得ません。
- 木村光投手:大卒プロ2年目という立場から、今オフのリリースはまずないでしょう。しかし、一軍で明確な成績をいまだ残せていないため、数年前の中村投手と同様、育成枠に逆戻りの上で仕切り直し、の可能性も否定できません。
- 田上奏大投手:高卒の若手右腕として順調な成長を見せていましたが、今シーズンは一軍二軍だけでなく、非公式戦含め登板がありません。おそらく何らかのコンディション不良に陥っていると推測されるため、来シーズンは再度育成契約に切り替わる可能性もあるでしょう。
- 風間球打投手:今シーズンは二軍で6試合にとどまっているどころか、非公式戦でも打ち込まれており、世代トップクラスと期待されたポテンシャルを発揮できていません。プライベートの面で週刊誌を賑わせてしまっていることもあり、チーム内の序列はかなり下がってしまっているでしょう。
- 武田翔太投手:近年若干出番を減らしていたところに、今シーズンはトミージョン手術を受け、現在リハビリ中です。間違いなく功労者の一人なので、チームとしては育成契約に切り替えるなどしてじっくりリハビリに励ませるでしょう。
- 澤柳亮太郎投手:今シーズン一軍でもリリーフの一角として活躍するなど、ルーキーながら光るものを見せていましたが、つい先日にトミージョン手術が発表されました。来シーズン中の復帰は難しいため、ほぼ間違いなく育成契約となるでしょう。
【野手】
- 野村勇選手:ルーキーイヤーにいきなり10本塁打10盗塁を記録するなど、三塁のレギュラー候補として期待されました。しかし、そこから成績をめっきり下げてしまい、今シーズンも期待されたバットで結果を残せていません。川瀬選手や廣瀨選手などの年下内野手との競争に勝てていない状況で、プロ3年目とといえどもかなり厳しい立場に思えます。
- 谷川原健太選手:強肩強打を武器に、捕手と外野手をどちらもこなせる選手ですが、今年は結局どちらのポジションでも出番を増やすことができていません。二軍ではまずまずの打撃成績を残しているとはいえ、どちらのポジションでも年下の若手が出番を増やしています。ここまで一軍で使われないとなると、チーム内序列がかなり心配になります。
- リチャード選手:二軍では圧倒的な長打力で本塁打を量産しつづけるものの、一軍では確実性に欠ける、というシーズンが続いています。徐々に首脳陣もリチャード選手を我慢しなくなってきている傾向にあり、守備位置も限られているとなると、チーム内での立ち位置はあまり良いものとは言えません。
- 渡邉陸選手:長打力のある捕手として期待される存在でしたが、今シーズンはここまで停滞のシーズンを過ごしてしまっています。支配下登録選手の中に捕手が9人も在籍しており、嶺井選手が長期契約の最中のため、今オフにここの人員整理を行うとすると、期待の渡邉選手といえども安心はできないでしょう。
- 生海選手:左側頭葉脳挫傷を患っており、じっくりリハビリに努める必要がある状況です。来シーズンは育成枠として開幕を迎える可能性が高いです。
- 川原田純平選手:足の怪我もあり、今シーズンは一軍二軍ともに出場がありません。コンディションを万全にするためにも育成枠に移行する可能性もありますが、ソフトバンクの厳しい競争環境を考えると今シーズンにリリースされる可能性もないとは言えません。
5.東北楽天ゴールデンイーグルス
【投手】
- 辛島航投手:投手陣では田中将投手に次ぐ古株の技巧派左腕ですが、今シーズンはここまで一軍での出番がありません。二軍では安定感のある投球を続けているものの、似た立場の塩見投手が昨年退団したことを踏まえると、通算56勝を積み上げた功労者といえどもその立場は安泰ではありません。
- 櫻井周斗投手:現在の楽天にはビハインドリリーフで結果を残しきれない20代後半が多く在籍しており、彼らの序列をどう見るかは難しいところです。その中で櫻井投手は、左投手という強みこそあるものの、二軍でも制球難に苦しむなど振るっておらず、最も苦しい立場にあると推測します。
- 清宮虎多朗投手:恵まれた体格から放たれる速球を武器に、ついに今シーズン支配下契約を獲得しましたが、相変わらず制球難に悩まされ続けています(二軍で26.1イニングで31与四球)。今オフに育成契約に逆戻り、という可能性も否定できません。
- 林優樹投手:昨オフに肘の手術を受けており、今シーズンは一軍二軍ともに実戦登板がありません。術後経過によっては育成枠への移行もあり得るでしょう。
- 泰勝利投手:トミージョン手術を受けてから1年半程度経ちましたが、まだ実戦復帰はできていません。こちらも経過次第では育成枠への移行もあり得るでしょう。
【野手】
- 島内宏明選手:打点王を獲得するなど、長年楽天打線の中軸として君臨した、球団史に残る名選手の一人です。しかし、22年オフに球団とひと悶着あって以降、成績を低迷させてしまっており、チーム内での立場は徐々に危うくなっています。この功労者に対し、球団がどのような処遇を下すのか、注目が集まります。
- 田中貴也選手:貴重なベテラン捕手で、第三捕手としてベンチに置いておきたい存在であるものの、今シーズンは一軍二軍ともにほとんど出番がありません。支配下に捕手が5人しかいないものの、育成に若手捕手を2人抱えていることもあり、そのあたりの入れ替えを敢行するのであれば立場は怪しいものとなってきます。
- 山崎剛選手:昨年はショートのファーストチョイスとして多く出場機会を得ましたが、今シーズンは体調不良などで大幅に出遅れてしまいました。シーズン終盤に一軍に昇格しており、先発出場も増えています。ここから一軍で結果を出し続け、同世代の二遊間系内野手に負けない存在感を出さなければいけません。
6.埼玉西武ライオンズ
【投手】
- 浜屋将太投手:速球が持ち味の先発候補左腕として、ここ数年二軍のイニングイータ―として回り続けています。一方で一軍成績はルーキーイヤーの3勝以降右肩下がりに低下させてしまっており、今シーズン3年ぶりの一軍登板を果たすも、ピリッとしない成績に終始してしまいました。左腕が貴重な存在といえど、かなり危険な立場に追いやられてしまっています。
- 大曲錬投手:最速153km/hの速球を武器に三振を量産する剛腕投手です。しかし、今シーズンは被安打も四死球も多く与えてしまっており、二軍防御率4.18という数字以上に不安定な投球内容をここまで見せてしまっています。同世代の投手と比較して実績不足の感は否めず、ここから1か月相当な巻き返しが必要な立場にあります。
- 黒田将矢投手:今シーズン二軍戦では4試合しか投げておらず、三軍戦でもここ最近登板がありません。コンディション不良が原因であれば、来シーズン育成枠に移行する可能性があります。
【野手】
- 岡田雅利選手:森選手や炭谷選手のバックアッパーとして、攻守に堅実な活躍を見込める捕手として活躍しました。キャリア終盤はひざの故障に悩まされ、捕手としての円熟味が増す30代にほとんど実戦出場できなかったのは残念でなりません。炭谷選手と共に今後の西武捕手陣強化に期待しましょう。お疲れ様でした。
- 金子侑司選手:圧倒的な俊足と、それを生かした広大な守備範囲を武器に、山賊打線の奇襲担当として一時代を築きました。今シーズンの周東選手に近しい存在感を放っていたと思います。やや打撃が復調しつつある中での現役引退表明であったため、個人的にも驚きでした。ともあれ、現役生活お疲れ様でした。
- 陽川尚将選手:チームに不足する長打力を供給する存在として、現役ドラフトで西武に加入しましたが、その後2年で打率1割台、本塁打も1本のみと、寂しい成績に終始してしまっています。移籍組であることも踏まえ、西武での立場は相当苦しくなってきています。
- 山野辺翔選手:小技の光る小兵ユーティリティとして、ここ数年一軍で一定の出番を得ています。ただし西武には小兵タイプの若手内野手が多く、すでに30代に突入した山野辺選手がこのままの役割にとどまるのみであれば、その立場は安泰ではありません。
- 松原聖弥選手:若林楽人選手とのトレードで今シーズン途中に加入し、即戦力としての働きを期待されましたが、一軍二軍ともにかなり物足りない成績に終始してしまっています。通常、シーズン途中のトレード加入選手は2年目も半自動的に契約するものですが、西武の外野手は数が多め(中日に次ぐ13人)のため、栗山選手と金子選手に次いで高齢の松原選手も自ずと厳しい立場に追いやられつつあります。
- ブランドン選手:育成枠で迎えた今シーズンは、夏場に一軍でチャンスを掴みましたが、怪我もあり出番少なく抹消されたのは残念なところです。不運な面は否めませんが、二軍でも出場機会が多くないことから序列は高くないと思われます。
- 高木渉選手:パンチ力を武器に二軍ではチーム2位の7本塁打を打つなど、なかなかの成績を残し続けています。一方で、明確なレギュラーに欠けた今シーズンですら、一軍でほとんど回ってきていません。守備面を評価されていないのか、不遇の時を過ごしている印象です。
7.北海道日本ハムファイターズ
【投手】
- 鍵谷陽平投手:新人から便利屋リリーフとして様々な場面で活躍し、日本ハム、巨人の二球団で優勝に貢献した名リリーフです。今シーズンは古巣に戻り、二軍ではなかなかの成績を残して支配下に返り咲きましたが、その後一軍で出番はなく引退を表明しました。個人的には巨人時代に何度も火消し的に起用され、その役割を果たしていた姿が印象的です。現役生活お疲れ様でした。
- 玉井大翔投手:先の鍵谷投手に並ぶ実績豊富な右のリリーバーで、昨年も一軍で50試合に登板するなどブルペンの重要なピースでしたが、一転今シーズンはここまで一軍登板ゼロにとどまっています。チームの苦しい時期も支えて功労者でありますが、一方で日本ハムはベテランにややドライな処遇を与えている傾向にあることには留意が必要です。
- 黒木優太投手:オリックス時代にセットアッパーとして活躍した実績をひっさげ、吉田輝星投手とのトレードで日本ハムに加入しました。しかし、分厚い中堅リリーバーの層に押され、ここまで一軍登板ゼロにとどまっています。二軍でも良好な成績を残しているとはいえず、このままでは日本ハム投手陣での立場が危ういものとなってしまうでしょう。
- 石川直也投手:増井投手の後釜としてクローザーを務めるなど、剛速球と鋭いフォークを武器に三振を狙って奪えるリリーバーとして活躍しました。いまだに奪三振力は高いものの、一時期と比較するとスピードが出ておらず、速球派揃いの日本ハム右の中継ぎ陣の中ではなかなか出番が回ってこないのが実情です。
- 宮内春輝投手:サイドスローから放たれるスピードボールが武器の投手ですが、昨オフに膝の手術を受け、そこから復帰に時間がかかったこともあり、今シーズンはまだ二軍戦に8登板しているのみです。ただし、その二軍戦では順調な回復ぶりを見せており、残り試合で復活を一軍でもアピールできれば、来シーズンの契約を手繰り寄せられるでしょう。
- 堀瑞輝投手:変則気味のフォームから繰り出される切れ味鋭いスライダーを武器に、21年には最優秀中継ぎに輝いたこともある、貴重な左の中継ぎです。奪三振力の高さを武器とする一方で、一軍レベルでは年々与四球率が悪化している点は懸念材料です。最近一軍に昇格しており、ここで明確なアピールができるかが生き残りのカギとなります。
【野手】
- 中島卓也選手:野手陣では数少ない2016年日本一メンバーの生き残りであり、通算盗塁は204を記録するなど、俊足堅守と粘り強い打撃でチームを支えてきた選手です。自ら進退を選択できる立場にあるとも考えられますが、日本ハムがベテランにややドライな点が少し引っ掛かります。脚力に衰えがみられる分、打撃面でさらなるアピールを行いたいところです。
- 江越大賀選手:圧倒的な身体能力を買われ、日本ハムに移籍した昨年は100試合出場を果たすなど、久々に充実したシーズンを送りました。しかし、確実性のなさは相変わらずで、今シーズンはここまでわずか7試合の出場にとどまっています。日本ハム外野陣はいずれも身体能力の高さに定評があり、その中で江越選手が圧倒的な長所を見出すのはかなり難しいように思います。
- 加藤豪将選手:日本人メジャーリーガーとして攻守に即戦力の働きを期待された昨年は、春先に打ちまくるなどチームに一定の貢献をもたらしました。しかし、今シーズンは一軍で打棒が振るっておらず、同世代の若林選手の加入もあり、内野陣ではかなり立場が苦しくなっています。FA取得の石井選手の去就にも左右されるかもしれません。
- 今川優馬選手:常に躍動感あふれる全力プレーが持ち味の地元選手ですが、層の分厚い日本ハム外野陣に押され、現状不遇な立場に置かれています。二軍では好成績を残しており、一軍でも活躍できそうな期待感はあるものの、とにかく日本ハム外野陣がハイレベルなため、なかなか入り込む余地がないのが実情です。
- 福田光輝選手:ロッテからトレードされて2年が経過しますが、いまだ定位置確保には至っていません。今シーズンは一軍で少ない打席数ながら結果を残した一方で、二軍成績はかなり低調です。前述の加藤選手とは、内野全般のデプスという意味では役割が重複しており、どちらの序列が高いかは非常に微妙なところです。
以上、パリーグ各球団の「残り1か月で挽回が必要な男たち」について記載いたしました。
あくまで「年齢」「出場機会」を主な基準として選手をピックアップしたので、異論等あれば優しくおっしゃってください・・・。
怪我などで不振に陥っている選手もいれば、チームの分厚い層に阻まれる選手もいるなど、活躍できない要因は様々ですが、残り1か月で彼らに少しでも挽回の場が与えられることを願います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。